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 須田桃子著「合成生物学の衝撃」を読んだ。本書のPRで人口生命体が作られたとあったので、ついにそこまで来たのかと期待したが、実際は生命の存続に必要な最小限のゲノム(ミニマム・セル)を同定し、そのDNAを人工合成して細菌の細胞に注入し、細菌が細胞分裂して増殖することを実証したということで、細胞まで人工合成したわけではなかった。未だ完全な人工生命は実現されていないようだ。DNAの人工合成はかなり前から実現しているが、細胞合成の方が難しいようだ。

本書は、生物学を工学化しコンピューターでDNAを設計して生物をつくる「合成生物学」と呼ばれる学問の現状を、米国の大学、研究所、関連機関に取材しまとめたものである。最新のゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」やこれを用いた遺伝子ドライブ(改変遺伝子の世代拡散)、生物兵器の開発と防衛、ヒトゲノム合成計画などについて記述している。現段階では「合成生物学」は大げさで、「ゲノム合成学」という方が実際に近い。ゲノムは遺伝コードに過ぎず、増殖に必要な機能を有する細胞が合成できなければ人工生命とは言えない。

















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