ゲオルク・ノルトフ著「脳はいかに意識をつくるのか」を読んだ。本書は「意識とは何か」を探求する哲学と、脳神経科学における最新の成果の統合を試みる野心的な神経哲学の書である。

本書は、うつ病、統合失調症などの精神疾患を抱える患者の臨床的な症例、fMRIなどの最新の脳画像技術を駆使することで得られた実証的な成果をもとに、精神病患者のみならず健常者の意識がいかに構築されるのかを探求した。その結果、「安静時脳活動」を生理的な基盤とする時間・空間構造によって「世界―脳」関係が構築されるという結論が導き出された。安静時脳活動の異常は、正常な「世界―脳」関係を変質させ、統合失調症などの精神疾患を引き起こす。

脳による神経活動から心への変換は、脳の遺伝子―神経の結びつき、さらには脳の生態的、環境的な統合に依拠する。脳は、脳+遺伝子+環境なのだから、哲学者は、心の本質や心と脳の関係を問うのではなく、脳の本質や脳と遺伝子、そして究極的には世界との関係を問うべきである。かくして心脳問題は、「遺伝子―脳」問題、さらには「世界―脳」問題に置き換えられる。

















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