堤未果著「沈みゆく大国アメリカ」を読んだ。本書は、強欲資本主義のもと各国を食い物にしてきたアメリカの医産複合体が、次のターゲットとして100兆円規模の日本の医療・介護ビジネスに魔手を伸ばしていると警告している。1986年1月の薬と医療機器の市場開放を謳うMOSS協議決着をはじめとして、2011年まで米国から7件の「医療の市場開放」要求リストを日本は受け入れてきた。

これらをシンプルかつスピーディに進めるために、「経済財政諮問会議」という組織を作った。総理自らが求める意見を、総理が議長を務める諮問会議で議論して、結論を出す。次に、これまた総理が議長を務める閣議に出すと自動的に決定、晴れて「政府の政策」となる仕組みである。これに類する会議がほかに7件もあり、選挙で選ばれていない民間議員が政策を決めている。

混合診療にすると、だんだん公的保険枠から高額の自由診療枠に治療や機器・薬剤が移り、終いには「国民健康保険制度」は残っても、使える範囲がどんどん小さくなり、お金がない人は最低限の基本治療しか使えず、経済力イコール命の格差というアメリカと同じ状況になる。

医療の市場開放は外部からのアプローチだけではなく、規制なしの企業天国を作る「国家戦略特区」という内部からの取り組みもある。安倍政権は、今後これを全国に広げるための法整備を目論んでいる。これはTPPと表裏一体をなして、規制緩和を永久に固定化する。
さらに、WTOで自由化できない部分、例えば公共サービスなどを自由化する国際条約「TiSA」がある。現在23の国・地域が協議に参加中。旗振り役アメリカの最大のターゲットは、日本の医療分野で、混合診療、病院経営への株式会社参入、病床規制撤廃など、医療の商品化と国民皆保険制度形骸化につながる内容がてんこ盛りである。

















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