青木理著「日本会議の正体」を読んだ。本書は、安倍自民党政権のバックボーンである右翼団体「日本会議」の活動目的、組織、陣容、活動方法などについて、その歴史的変遷を含めて解明したものである。

日本会議の活動目的は、1皇室の尊崇、2憲法の改正、3国防の充実、4愛国教育の推進、5伝統的な家族観の重視などである。一言で言えば明治時代の国家主義体制への回帰である。現在、日本会議が安倍政権とともに総力を注ぎ込んでいる最大の目標は、戦後体制の象徴である「現行憲法」の改正である。本部事務局には新興宗教団体「成長の家」の生学連出身者が多い。現在の日本会議を主柱的に支えているのは、伊勢神宮を本宗と仰ぐ神社本庁を頂点とした神道の宗教集団である。

活動方法は、神社本庁など動員力、資金力のある組織のバックアップを受けつつ、全国各地に「キャラバン隊」と称するオルグ部隊を送り込み、「草の根の運動」で大量の署名集めや地方組織づくり、または地方議会での決議や意見書の採択を推し進めて「世論」を醸成していく。と同時に、中央でも日本会議やその他の関連団体、宗教団体などが連携して「国民会議」といった名称の組織を立ち上げ、大規模な集会などを波状的に開催して耳目を集めつつ、全国でかき集めた署名や地方議会の決議、意見書を積み上げて中央政界を突き上げていくというもの。

一方、日本会議の活動に呼応し、中央政界でその政策実現に尽力することを目標としている「日本会議国会議員懇談会」がある。衆参両院の全加盟議員281人中、自民党が246人と9割近くを占めている。また、現安倍政権の閣僚20人のうち13人、つまり全閣僚の65%が同懇談会のメンバーによって占められている。さらに、安倍の最側近と言える官邸の枢要スタッフになると、一人を除く全員が同懇談会のメンバーで固められており、特に安保や教育といった安倍政権と日本会議が重視する分野には、同懇談会のメンバーが当てられている。

これを見れば、安倍政権=日本会議政権といっても過言ではない。著者によれば、日本会議の正体とは、戦後日本の民主主義体制を死滅に追い込みかねない悪性のウィルスのようなもので、その数が増えて身体全体に広がり始めると重大な病を発症して死に至る。しかも現在は日本社会全体に亜種のウィルスや類似のウィルス、あるいは低質なウィルスが拡散し、蔓延し、ついには脳髄=政権までが悪性ウィルスに蝕まれてしまった。このままいけば、近代民主主義の原則すら死滅してしまいかねないということになる。

しかも、メディアも国民も鈍感で病変に対する自覚症状がないという致命的な状況にある。安倍政権=日本会議政権のような超復古的国家主義社会を目指す化石人間の集団に、日本の未来を委ねることはできない。まず国民一人一人が病変を自覚し、ウィルスを撲滅するための行動をスタートしなければならない。

















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