本は再販売価格維持制度(再販制度)に基づく定価販売が長年、当たり前とされてきたが、古本チェーン店やネット書店、電子書籍などが登場し、価格は多様化している。発売から一定期間を過ぎた本を値引き販売する「時限再販」に取り組む出版社も増えてきた。、本の値段はどうあるべきか。識者らに聞いた。

■隙間を突いたネット販売
 津田大介さん(ジャーナリスト)
 一般書店からの返品が4割に及ぶ状況を考えれば、「返品されるくらいなら値引きした方がいい」と考える出版社が出てきてもおかしくはない。顧客目線に立ち、再販や委託販売といった長年のルールを変えるための議論を始める時期にきたということだ。

■値引き、再販維持に必要
 山野浩一さん(筑摩書房社長)
定価販売の根拠となる再販制度は、言論や文化の多様性を保持する機能を果たしてきたが、独占禁止法の例外規定だ。公正取引委員会からもっと弾力的な運用を求められており、法の趣旨に沿った値引き販売の実施は再販制度の維持に必要だ。

■定価販売、多様性を担保
 柴野響子さん(上智大准教授)
 定価販売は多品種・少量の本をさばくのに合理的なシステムとして、また出版社の経営を安定させ多様性を担保する仕組みとして機能してきた。ネット書店や中古本専門のチェーン店ができるなど業界の枠組み、読者の意識は変わっている。ドイツは定価販売をしているが、時限再販は一般的だ。時限再販のような自由価格本の流通は、もっと試みられてよい。

■出版社は時限再販の導入を
 植村八潮さん(専修大学教授)
返品は4割近くで、いっこうに減らない。これほど経済効率の悪いことはない。適正な冊数を仕入れ、それを売り切っていく力が書店に求められている。そのための「武器」として、出版社は時限再販や非再販本をもっと導入して、書店による「値引き販売」などを促していくべきだろう。
 長年続いた巨大な仕組みを急激に変えることは難しいが、内部からイノベーションを起こしていかなくては後がない。


















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