坂井豊貴著「多数決を疑う」を読みました。本書は、民主的決議の方法として自明と思われている多数決が、集約ルールとして適切なものではなく、選挙に適用した場合など、民意を反映した結果をもたらさず、単に集約ルールを反映した結果を示すのに過ぎないことを検証し、社会的選択理論の視点から多数決に代わるルールを検討している。

多数決に代わる様々な集約ルールのうち、選択肢の1位に3点、2位に2点、3位に1点のポイントをつけて集約するボルダルール、ペア勝者基準を満たすことを重視したコンドルセ・ヤングの最尤法、有権者のさまざまな選択肢の峰の真ん中を選ぶ中位ルールなどが適正であると述べている。

64%多数決ルールによれば、YからXへの法改正について64%の支持があれば、どのようなZも64%を可決ラインとして、X>Y>Z>Xのようなサイクルを生み出すことはあり得ない。現行の改憲条項(96条)は、衆参で3分の2以上の賛成と国民投票で過半数の賛成を規定しており、一見64%ルールに近いように見えるが事実は違う。
衆院選の小選挙区制では、得票率が低くても圧勝する「地滑り的勝利」が容易である。例えば2014年12月の衆院選で、自民党は得票率約48%で約76%の議席を獲得した。2013年7月の参院選でも、自民党は選挙区で約43%、比例区で約35%の得票率で約54%の議席を獲得した。

上記のことから、現行の第96条のハードルは実質的には3分の2ではなく過半数であり、見かけよりはるかに弱く、より厳しくすべきである。具体的には、国民投票における改憲可決ラインを現行の過半数ではなく、64%程度まで高めるのがよいと述べている。確かに安倍自民党政権と翼賛勢力の改憲至上主義を見ていると、国民投票は64%の賛成を規定すべきと思える。

















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