渡辺治 外3著「〈大国〉への執念 安倍政権と日本の危機」を読みました。本書は、安倍政権の権力構造とその担い手、およびその国家改革・社会改革の目標とそのための諸施策の全体像を解明し、同時にそれらがどのような矛盾と困難を人々にもたらすのか、彼らの描く「絵」はどのような矛盾を内包しているのかを明らかにしています。歴代の保守政権の中でも特異で危険な安倍政権の全体像を的確にあぶりだしており、安倍の暴走を阻止するためにも繰り返し熟読すべき本です。

4 新自由主義改革の新段階----改革路線と司令塔の競合(3)
 安倍政権の新自由主義改革を推進する司令塔の第三は、国家戦略特区諮問会議(以下、特区諮問会議)である。国家戦略特区構想は、産業競争力会議のなかで、国家的支援派と新自由主義急進派の「対決」のさなかに、竹中の発案で生まれたものであった。
国家戦略特区の狙いは三つある。一つは、”国家的支援に偏った”競争力会議に対抗して、特区を急進規制緩和の先進的実験場にすることである。急進規制緩和メニューとしては、雇用労働市場規制緩和、混合診療の拡大など医療・介護の規制緩和、公立学校の民間運営など教育の規制緩和、農業法人参入など農業規制緩和等の20の重点項目がある。

狙いの二つ目は、特定地域で急進規制緩和をセットで実現することで、新自由主義改革が狙った対内直接投資を呼び込み「内なるグローバル化」を実現しようとしたことだ。
三つめは、東京、大阪のような大都市で、新自由主義改革の先進モデルを作ることで、大都市圏をグローバル競争の先端都市にし、国際的な都市間競争でも東京・大阪をグローバル都市として押し上げようという狙いである。

















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