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 海渡雄一・前田哲男著「何のための秘密保全法か」を読んだ。昨年12月6日、国民の敵「自民党・公明党」の強行採決で成立した憲法違反の「秘密法」は、今突然出てきたのではなく、2006年頃の自民党政権から継続されてきた動きの表面化であるということだ。本書は、「秘密法」に至る秘密保護法制の歴史と背景を展望するとともに、その本質と狙いを暴き、危険性を警告したものである。

1 いま、なぜ「秘密保全法」か
 2011年8月8日提出された「秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議」報告書は、包括的な秘密保全法制の不在、国家公務員法などの罰則の軽さが漏洩防止に不十分な点を指摘し、政府保有の特に秘匿を要する情報の漏洩防止を目的として、秘密保全法制を早急に整備すべきであると提言した。これを受けて、法案制定作業が開始された。こうした危機意識を弾き出した直接要因に、2010年11月の中国漁船と巡視船の衝突ビデオのネット流出問題、公安テロリスト情報漏洩問題、ウィキリークスによる外交秘密文書暴露、「3.11」以降の情報管理対策などがある。

しかし、法制化への準備は、これら出来事の発生に先立って始まっており、縦軸=これまでの法制化挫折の歴史と、横軸=日米安保協力の注力という座標軸から、問題の本質を見出す必要がある。すなわち、1980年代の「国家秘密法」廃案以降ずっと機会をうかがってきた官僚の執念、そして「日米同盟」のもと、ますます一体・融合化していく日米軍事情報の保護強化という観点。一方は「強い国家」を目指し、他方は「隷属国家」の深化と逆向きのベクトルを持つが、いま秘密保全法制定が浮上した理由の根底に、この二つの動因を考えておく必要がある。

 「日米安保軸」では、2007年8月10日即日発行の「日米軍事情報包括保護協定(略称ジーソミア)」で、アメリカと同等の秘密保護措置を要求され、国内法の新規立法が必要となったのが、秘密保全法の起源である。GSOMIA=ジーソミアの原型は、1952年の日米安保条約発効に伴う二つの安保特例法である秘密保護法「日米地位協定の実施に伴う刑事特別法(刑特法)」と「MSA秘密保護法」である。「秘密保全法」の起源は、米軍と自衛隊の軍事一体化が顕著な日米軍事協力の進展が鍵である。例えば、陸上自衛隊と米陸軍の神奈川県での合体、海上自衛隊と米海軍の横須賀軍港共有および日常的情報交換、共同行動、航空自衛隊と米空軍が東京横田基地で合体、「共同統合運用調整所」を開設など。

















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