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 松井茂記著「日本国憲法」を読みました。本書は、法学部で憲法を学ぶ学生のための教材として書かれたもので、裁判所による憲法の解釈に焦点を当てて、日本国憲法に関する解釈を理解するための助けとなるよう意図されています。憲法理解のパラダイムとしては支配的な立場にある実体的憲法観の他に、プロセス的憲法観があり、本書は後者の立場を提示しているということです。すなわち、憲法は政府のプロセスを樹立し、規律したものであって、実現されるべき価値を宣言したものではないというプロセス的憲法観、基本的人権は、国民の政治参加のプロセスに不可欠な諸権利を保障しようとしたもので、統治機構の部分と同じプロセスの保障としての性格を持っているとするプロセス的基本的人権観、そして憲法の立脚する民主主義原理の下では、この政治参加のプロセスの保障こそが裁判所にふさわしい役割であるとするプロセス的司法審査理論を提示しています。

 総論では、日本国憲法制定の歴史的経過が記されており、連合国による押しつけ憲法という考え方は一面的な見方に過ぎず、GHQは憲法改正草案を提示はしたが、憲法改正を日本政府に命令することは避けていた。日本政府は、GHQの草案を基礎として憲法改正作業を行うことを閣議決定し、草案にかなりの修正を加えた試案をGHQに提出して折衝、最終案を固め、「憲法改正草案」としたということです。そして帝国議会で審議のうえ可決され、日本国憲法として公布、施行されたのです。

 本書は教科書であるため内容は網羅的で多岐に渡り、簡単に要約することは不可能ですが、各国の憲法の歴史も踏まえながら、憲法の意味、憲法解釈、憲法訴訟と判例、憲法学説など詳細に解説されており、すごく勉強になりました。安倍政権が「自民党の改憲草案」に沿って憲法改正をしゃにむに推し進めようとしている危険な現況に鑑み、憲法を十分に理解しておくことは大事なことだと考えます。

















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