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 斉藤貴男著「安倍改憲政権の正体」を読みました。総頁わずか63頁の岩波ブックレットで直ぐに読了できるが中身は濃いです。本書は安倍政権の本質をえぐり出す好著であり大いに共感しました。政権を支持する人もそうでない人も、ぜひ一読していただきたい。電子書籍にしてもっと多数の人に読んで貰えば良いのに残念です。その代わりというわけではないが、本ブログで逐次、本書の目次に沿って内容紹介したいと思います。

2 アベノミクス、TPP参加が意味するもの(その2)
 TPPはアベノミクスの延長線上にあり、安倍の対米従属政策の一環である。アメリカの国家戦略は、米国防総省の戦略計画補佐官を務めたトマス・バーネット著「戦争はなぜ必要か」に述べられているように、グローバリゼーションを経済と安全保障の一体的ルールセットとして推進し、世界のリーダーとしての役割を果たすことである。アメリカは、軍産複合体で多国籍企業が世界中で展開しているグローバルビジネスを、軍事力でプッシュする国家体制をとっている。TPPはアメリカにとって専ら対日政策である。なぜなら、TPP参加国のGDP全体の8割を日米両国で占めるのだから、アメリカにとって日本が参加しないと意味がない。「日米構造協議」、「構造改革」に続くアメリカによる日本市場支配の総仕上げであり、日本の商習慣や法律、そして社会全体のアメリカへの同化が、一気に完成へと近づけられることになる。

 安倍政権を信用できない要素の一つに、ことさら「日本」を謳い上げる態度がある。国益を重視するならなぜ、アメリカと真正面から向き合い、主張すべきことを主張しないで、過去の戦争を美化したり、内向けのナショナリズムや、中国や韓国に対する差別意識を駆り立てることばかりしたがるのか。それは、権力を世襲している彼らにとって、戦後連綿と受け継がれてきた選択、つまり日本をアメリカ=グローバル巨大資本の属国であり続けさせることは、単に政治や外交の領域だけにとどまらず、彼ら自身が生きていく上での絶対的な存在理由(レゾンデートル)でもあるのだろう。しかしそれだけでは辛すぎるし、いかにも属国では国民も易々とは許してくれるはずがない。だから日の丸・君が代であり、「主権回復の日」であり、靖国神社であり、「従軍慰安婦などいなかった」のであり、「僕のおじいちゃんは正しかった」のであり、「自主憲法」の制定なのであり・・・。

 つまりはガス抜き。アメリカもそんなことは十分に承知しているから、靖国神社への閣僚参拝や尖閣列島を巡る中国との小競り合いもある範囲では黙認してくれた。石原のような人材を適当に焚きつけて尖閣問題での日中対立を煽り立て、在日米軍の存在感を見せつける場面も見受けられる。アメリカというお釈迦様の掌の上で「日本ごっこ」をやってはしゃいでいるようなもので、つくづくみっともないと思う。日本のリーダーを辞任する人々がやらなければならないのは、何よりも先ず、本当の意味で独立した国として行動することだと思う。

















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