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 ジェイムズ・ガードナー著「バイオコスム」は、生物学と宇宙論の来るべき融合のヴィジョンを、M理論、ブレーン宇宙などの最新物理学から進化論、複雑系の科学に至るツールを駆使して描き出したものですが、単なる思念ではなく反証可能性を有する科学的仮説として提示しています。その裏付けとして専門学術誌に掲載された自身の論文を再録しています。

「利己的バイオコスム仮説」は、われわれの宇宙が示す人間原理的性質―自然の物理法則と定数が、無機的な非生命的物質から生命と知性が出現してくるように巧妙に構造化されている―は、膨大な長さに及ぶ宇宙複製サイクルに付随する結果として説明できる。そのサイクルでは宇宙が自己複製し「ベイビー宇宙」を生み出す手段が、宇宙大に拡大された生物圏によって与えられるとするものです。これは、生命、さらには知性のより完成された形態の出現が、宇宙の物理的誕生、進化、再生産と深く結びついていることを意味します。

 人間原理的性質を有する最初の宇宙創生については、閉じた時間的曲線としてのエキピロティック周期宇宙シナリオが、創発性と複製プロセスの物理的鋳型として有望であると示唆しています。このシナリオでは、時間(そしてその因果関係と情報の流れ)がビッグクランチ/ビッグバン期を通して、滑らかに連続していると言うことです。これは、特別な複雑性を持つ生物情報の究極の起点が、われわれのはるか未来にありうること、そしてそれは閉時曲線ループ上のわれわれのはるか過去のすぐ隣にあるものだということを意味します。

 利己的バイオコスム仮説では、宇宙複製が個体発生および複製のすべてのプロセスの効用関数とされ、生命と精神はこの宇宙が自身で再生、再生産するのを可能にするために生じているのであり、この宇宙が生命と精神を生成させるために存在しているのではないということです。従って、人類を含めて宇宙の生命と精神は、宇宙複製を可能にする手段を得ることができるような、より完成された知性形態へと進化していくことに、存在論的な意味を有すると言うことです。

















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