青木理著
「日本の公安警察」
を読んだ。自公政権は、盗聴法、改正住基法、ガイドライン関連法、国歌・国旗法、団体規制法、破防法改正、日本版NSC、秘密法、戦争法、マイナンバー制、さらには共謀罪法案、自民党憲法改正草案と、国民の監視と管理のシステム強化を図るための一連の治安法の整備を進めてきた。それを実行する治安機関は、戦前・戦中の特高を継承する公安警察であり、法整備に伴いその組織強化が急速に進められているはずである。
本書は、公安警察の組織機構、資金と人員、刑事警察との違い、情報収集術、公安秘密部隊、公安事件例などについて記述している。また、治安機関を覆い隠すベールは厚く、密行性と閉鎖性の壁の向こう側で活動は肥大し、制御を失いかねないと述べている。
残念ながら本書は16年前の発行でいささか古く、安倍自民党政権による治安法整備の強行に伴い、間違いなく急速に組織強化されているはずの公安警察を筆頭とする治安機関についてのデータがない。最新のデータに基づくレポート出現を強く望む。