トマ・ピケティ著「21世紀の資本」を読みました。本書は、18世紀以来の富と所得の分配動学をめぐる歴史的知識の現状を示し、この知識から今後の世紀のための教訓を引き出そうとしたものです。資本主義の中心的な矛盾は、民間資本収益率rが所得と産出の成長率gを、長期にわたって大幅に上回りうるという事実と関係があるということです。

不等式 r > g は、過去に蓄積された富が産出や賃金より急成長するということです。歴史を通じて、平均資本収益率rが4~5%に対して所得と産出の成長率gは1~1.5%であり、不動産や金融資産などの資本を持つ者が、ますます富を蓄積するという、富の格差拡大傾向は避けられない。この資本主義の根本的な構造矛盾(r>g)を克服する正しい解決策は、資本に対する年次累進税である。ただし、これを実現するためには、一国だけではなく高度な国際協力と地域的な政治統合を必要とする。

本書は、広範な歴史的データの集積と分析を通じて、事実としての不等式r>gを裏付けたもので、世界の富の半分以上がたった1%の富裕層に蓄積されているという異様な富の格差を裏付けています。他の経済書のような予測能力のない無意味な経済理論を、数式をひけらかしあたかも科学的理論であるかのように書き散らすのではなく、あくまで歴史的データに基づいて記述しており、説得力があります。


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