アマゾンKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)に挑戦しました。未来舎から印刷本として出版、アマゾンで委託販売していたSF
「未来の影」
を、KDPシステムにより電子書籍Kindle本として出版しました。原本は、Word版、TeX版、PDF版の3種類がありましたが、扱いやすいと思われるWord版を使うことにしました。
出版までの手順は、KDPでアカウント設定-本の詳細情報を入力し、コンテンツをアップロード-本をプレビューし確認-本の権利と価格情報を入力-本を保存して出版-本の審査-Kindleストアで販売となりますが、本にするコンテンツが規程どおり準備されていれば操作そのものは簡単です。コンテンツのアップロード可能なファイル形式は、Word、HTML、ePub、XMDFです。
本の作成手順は次の通りです。今回のSF「未来の影」は文字だけで図表や画像を含んでいません。まず、横書き形式のWord原稿(本文)を通常の.doc形式で保存します。Wordメニューから「挿入」-「改ページ」を選択して、各章の末尾に改ページを入力します。次にタイトルと著者名を表示した表紙を作成して本文の前ページに配置し、改ページを入力します。続いて目次を作り改ページを入力、本文の後ろに著書目録などの追加情報を配置します。Wordによる目次作成方法については別途説明書があります。
本のレイアウトが作成できたら、WordファイルをWebページ(フィルタ後) (*HTM、*HTML) 形式で保存します。横書き形式の本なら保存したファイルをアップロードし、別途、表紙画像(JPEG)を追加アップロードすれば良いのですが、日本語縦書き形式の本にするためには、そのように表示させるためのCSSファイルを作成し、保存したHTMLファイルとリンクさせる必要があります。また、縦書き文の中で一箇所だけ英数字を横書きで表示するいわゆる縦中横を実現するには、当該文字の前後をHTMLタグで挟む必要があります。そしてHTMLファイルとCSSファイルを一つのZIPファイルに圧縮してアップロードする必要があります。
Kindle本としての出来映えを確認するには、アップロードして変換されたmobiファイルを見ても良いのですが、今回はアップロード前のHTMLファイルを、アマゾンが提供しているコマンドラインツール"KindleGen"でmobiファイルに変換し、それをKindleプレビューツール"Kindle Previewer"で開くことで確認しました。
あとは「出版権の確認」「価格とロイヤリティ情報の入力」などの操作後、「保存して出版」をクリックしてKindleストアに本を提出すると、アマゾンの審査を経て約48時間でオンライン販売されます。