書籍のデジタル化を支援する新会社「出版デジタル機構」
 講談社、集英社、小学館など出版社11社は29日、共同で発起人となり書籍のデジタル化を支援する新会社「出版デジタル機構」の設立を発表。電子書籍の普及を本格化させるため、電子化のノウハウや資金が不足している中小の出版社などを支援し、コンテンツ数を増やすことを狙いとする。5年後に100万点の電子コンテンツを流通させ、2000億円の市場創出を目指す。

 電子書籍が本格的に普及しない大きな要因としては、紙の書籍と比べてコンテンツ数が圧倒的に少ないことがある。出版社がコンテンツを増やせない要因には「中小の出版社には電子化のコストとノウハウが不足している」ことがある。そこで、同機構は書籍のデジタル化に関する技術面とコスト面を含めた支援をする。サービスの名称は「パブリッジ(pubridge)」。すべての端末、書店、出版社を結ぶ架け橋という意味を込めた。設立に当たっては11社のほかに260の出版社に賛同を得たという。

 電子化したコンテンツをどのような形で販売するかは各出版社にゆだねる。米アマゾンが国内で電子書籍サービスを提供すると言われているが、「各出版社のビジネス展開で組む事業者は国内国外でこだわらない」という立場を取る。

電子書籍、国が後押し 出版デジ機構に150億円出資 
 出版物の電子化を進めるために、国内の出版業界が連携して4月2日に設立する新会社「出版デジタル機構」に対し、官民ファンドの産業革新機構が、総額150億円を出資することがわかった。日本政策投資銀行も28日、三井物産と東芝、NECとともに、電子書籍配信サービス会社「ブックライブ」と資本提携すると発表。

 産業革新機構は政府が9割を出資する国内最大級の投資ファンド。政投銀は政府が全額出資する政策金融機関。業界を横断する連携を国も後押しし、日本の電子書籍市場を拡大させる狙いがある。現在、国内の市場規模は年間600億円ほどだが、三井物産や東芝によると、スマートフォンやタブレット端末の普及で、2015年度には年間2千億~3千億円に急成長する見込みという。

 出版デジタル機構には、講談社、小学館、集英社の大手3社を中心とする複数の出版社と、大日本印刷、凸版印刷が、計約20億円の出資を予定している。総額170億円の資本金(資本準備金を含む)のうち約90%を産業革新機構が出資して最大の株主となる。

 産業革新機構の幹部は「単なる出版業界への投資というよりも、電子書籍という新しい産業を興すことで需要を呼び起こしたい」と語る。新会社は業種や企業の壁を越えて新市場を立ち上げる試みで公共性も高いと判断したという。

 出版デジタル機構は、書籍100万点の電子化を目指している。出版社から提供を受けた本を電子化して保管。ブックライブのような電子書店などに卸売りする。データを卸売りした利益で各出版社の初期費用を相殺できる仕組みを作り、中小出版社も電子化できるように計画している。産業革新機構も、中小がさまざまな電子書籍を出せるようにすることが、市場全体の発展につながるとみる。国内の業界がまとまることで、外資企業との対等な交渉もしやすくなりそうだ。

 出版デジタル機構の設立には既に、年間出版点数の50%以上を占める大小の出版社が賛同を表明している。出版デジタル機構は29日に出版社向けの説明会を開き、産業革新機構の出資を公表する。

 政投銀など4社は、トッパングループのブックライブが行う約29億円の第三者割当増資を引き受ける。ブックライブはネット上で、電子書籍ストアを運営。小説や雑誌、コミックなど約3万タイトル、約5万4千冊を持つ。提携後は、電機2社が端末や配信システムの提供などで、三井物産が海外ネットワークをいかし、アジア展開などで協力しあう。政投銀は電子書籍を成長分野とみており、融資などを検討する。


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