1.全出版物のデジタル化を目指す「出版デジタル機構」、出版20社が共同設立
講談社、集英社、小学館など出版社20社は15日、
出版物のデジタル化を推進するための新会社「出版デジタル機構(仮称)」の設立に合意したと発表。冬にも新会社としての設立を目指し、国内の出版社の参加を広く募っていく。参加出版社は、インプレスホールディングス、勁草書房、講談社、光文社、集英社、小学館、新潮社、筑摩書房、東京大学出版会、東京電機大学出版局、版元ドットコム(代表:ポット出版・ほか6社)、文藝春秋、平凡社、有斐閣の20社。
基本的な業務内容は、参加出版社の出版物デジタルデータの保管業務や、対図書館ビジネスの代行、国立国会図書館が電子化を行った雑誌・書籍の民間活用、各電子書店・プラットフォーマーに向けての配信業務の支援、各社の希望に応じて出版物の電子化を行うことなど。また、各社の著作権者への収益分配を支援するとともに、電子出版物に関する検討事項を討議し、解決する場を提供することも挙げている。
2.電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」日本で提供開始
アドビシステムズは15日、
電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite 」について、日本での提供を開始したと発表。アドビのDTPソフト「InDesign CS5.5/CS5」と統合されており、InDesignで作成した出版物データにインタラクティブ機能を追加した上で、電子書籍やデジタルマガジンとして発行・販売できる。タブレット端末やデスクトップ用のビューアーや、制作した電子出版ファイルの管理、配信、決済、効果測定などのサービスも含まれている。
提供を開始したのは、標準的なエディションとなる「プロフェッショナル版」。参考価格は、プラットフォーム利用費が年間60万円、サービス費用が年間発行予定部数に応じて2万5000ダウンロードまでで62万5000円、25万ダウンロードまでで425万円、50万ダウンロードまでで700万円(いずれも税別)。