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 山影進著「人工社会構築指南」は、マルチエージェントシミュレーター"artisoc"の使用を通じて、人工社会のモデル化とシミュレーションの基礎を習得できるようにした入門書です。添付のCDに格納された"artisoc"をPCにインストールすれば、書き込めるルールの総計が200行までの制限内で製品版と同等の機能を有する"artisoc"を使用できます。

 理工系のシミュレーション技術の一つであったマルチエージェントシステムが、社会学にも適用されるようになったのは、エージェント間の相互作用による社会全体の変動およびエージェントへのフィードバックという、社会学の課題であったミクロ・マクロ連関が容易に成立しうるという特徴のためのようです。

 本書は、"artisoc"の各種機能と使用法、様々な社会のモデル化、ルール記述、シミュレーションについて、わかりやすく書かれており、プログラミング技術がなくても人工社会のシミュレーションができるようになっています。もちろん、プログラミング知識があればより早く容易に理解できることは言うまでもありません。

これまでの社会学はすでに起こった出来事の説明はできても、自然科学のような予測能力はなかったと思います。この点マルチエージェントシステムは、シミュレーションによってモデル社会がどのように変動していくかを予測することができます。私が注目しているのもこの点で、うまくモデル化すれば未来予測が可能になるのではないかと思っています。

人工社会の時間発展によって、これまでの人類の歴史を再現できれば、その社会モデルは適正であると検証されたことになり、今後の社会変動を予測できるはずです。未来予測の結果、不具合な変動が見られる場合は、その主要因を究明し様々な対策パラメータを導入することで不具合をなくします。これらの未来予測結果は、現実社会の政策決定の根拠として採用できます。

未来社会は、現在のように人間の政治家が、社会改善の根拠のない思いつきや党利党略、権益維持、圧力団体や支持団体への迎合などのために進めている無意味で有害な政策決定を排し、検証された人工社会の未来予測に基づく政策決定システムに代えるべきだと考えます。そうなれば、政治家や政党は不要になり、直接民主制が実現できるかも知れません。

 富士通は、電子書籍販売サイト、「BooksV(ブックスブイ)」をオープン。書籍が数万点、雑誌記事や調査レポートなどが30万点以上そろっており、まずはPC(Windows 7/Vista SP2/XP SP3)向けにダウンロード販売する。今年上半期中にはAndroidにも対応する予定。

 書籍では「ビジネス・経済」「暮らし・生活・健康」「文学・評論」「実用・スポーツ・ホビー」などのジャンルを扱う。雑誌記事では「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」「エコノミスト」「日経ビジネス」「日経コンピュータ」などをラインナップ。

 フォーマットは、主に書籍がXMDF、雑誌記事・調査レポートがPDF。ダウンロードしたコンテンツは「ブンコビューア」(XMDF)や「Adobe Reader」(PDF)で閲覧する。

ソニーとパナソニック、紀伊国屋書店、楽天の4社は、電子書籍の規格の共通化などに取り組むことで合意したと発表。まずは、ソニーとパナソニックの携帯端末について、電子書籍を読み取る際の規格を共通化。その規格にそった電子書籍を、楽天の配信サイトからも紀伊国屋の配信サイトからも買えるようにする。今夏以降に、具体的なサービスの内容を発表する予定。
 

 株式会社BCCKSは、ウェブ上で電子書籍を作成できるサービス「BCCKS(ブックス)」について、現在開発を進めている新たな電子書籍リーダーと作成ツール、電子書籍フォーマットに関する発表会を開催した。BCCKSは、ウェブ上で電子書籍が作成できるサービスとして2008年に開始。これまでに2万8000冊以上の本がユーザーによって作成されており、個人だけでなく法人による利用も広がっているという。

 BCCKSでは現在、縦書きやルビ、リフローレイアウトに対応する新たな電子書籍フォーマットと電子書籍リーダー、作成ツールの開発を進めている。新しい電子書籍リーダーとなる「BCCKS Reader」は、7月にPC版とiPad版、8月にAndroid版のそれぞれバージョン0.1を公開予定。PC版はウェブブラウザーから利用できるサービスとなり、iPad/Android版はアプリとなる。まず電子書籍を閲覧するための機能から提供し、販売機能や他サービスからの記事のインポート機能、ソーシャルリーディング機能などはその後順次対応していく予定。

 新たなフォーマット(EPUBベースの独自フォーマット「bxml」)に対応する編集ツールも、7月に既存会員の中からモニターを募り、限定公開する予定。ウェブブラウザー上でレイアウトを選択し、テキストや写真を入れていくことで簡単に電子書籍が作成できる。レイアウトは「二段組」「三段組」などへの変更が即座に行え、マルチデバイス対応の電子書籍が作成できる。
 


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