1.文科省、電子書籍普及のための懇談会
文部科学省は、電子書籍の普及に向けて法律面などの環境整備を進めるための
懇談会「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」を設置し、第1回の会合を開催。同懇談会は、3~6月に開催された、経済産業省・総務省・文科省合同の「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」(3省懇談会)で今後の検討課題とされた内容のうち、文科省所管の項目について具体的に検討する。具体的には、(1)図書館における電子書籍の蓄積や貸し出しといった公共サービスのあり方、(2)権利の集中管理など、電子書籍の発行に必要な権利処理を円滑化するための仕組み、(3)電子書籍の発行にまつわる、出版社に対する著作隣接権などの権利付与の是非――などについて議論する。
2.角川グループの電子書籍配信サービス「BOOK☆WALKER」
角川コンテンツゲートは、角川グループ各社の電子書籍やデジタルコンテンツを配信するプラットフォーム事業
「BOOK☆WALKER」を正式オープン。あわせて、iPhone/iPad向け専用アプリで閲覧できる文芸作品、新書、ライトノベル、コミック約50作品の配信がスタート。
iPhone/iPad向けの電子書籍閲覧用アプリ「BOOK☆WALKER」は、すでにApp Storeでの無料配信を開始。コンテンツは、同アプリ上からApple IDを利用して購入できる。また、ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」の立ち読み版があらかじめ収録されている。
毎週20作品程度のペースでコンテンツを追加し、年内には約100作品を配信する。また、2011年4月にはAndroid採用製品、タブレット端末、PCなどにも対応端末を拡大させる計画で、配信作品も1000タイトル程度となる予定。角川グループ以外の出版社やコンテンツプロバイダーにも参加を呼びかける方針。
3.電子書籍生成のクラウドサービス「J!BOOK」
日本デジタルオフィスの
「J!BOOK」は、PDFファイルを登録するだけで電子書籍を自動生成し、閲覧ログの収集・分析も行うクラウドサービス。マイクロソフトのWindows Azure上で稼働しており、閲覧ログなどはSQL Azureに保存する。
生成した電子書籍には、Twitter連携、付せん、音声・写真投稿、アンケートなどの読者参加型機能を組み込む。このうちTwitter連携では、ページごとに設定したTwitterのタグに自由に書き込み、閲覧することができる。また、付せんやアンケート回答、コメント投稿などの読者が追加した情報や閲覧ログは、すべてSQL Azureに蓄積される。
サービスメニューとしては、次の2種類を用意した。(1)作成した電子書籍を自社のWebサーバーなどで公開し、閲覧ログや読者が追加した情報などはクラウド上に保管する「J!BOOK分析サービス」、(2)電子書籍も含めすべてのデータをクラウド上で管理する「J!BOOK総合サービス」。
4.シャープ、電子書籍端末「GALAPAGOS」の予約販売を開始
シャープは、電子書籍端末
「GALAPAGOS」の予約販売を開始。予約は、店頭で購入申込書を受け取り郵送するか、オンラインストア「シャープメディアタブレットストア」での受け付けとなる。発売は12月10日。
GALAPAGOSは、タッチパネル付きカラーTFT液晶を搭載する電子書籍端末。12月10日にオープンする電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」から、新聞・雑誌・書籍など約2万冊の電子書籍を購入できる。
端末のラインナップは、10.8型のホームモデル「EB-WX1GJ-B」(ブラック)と、5.5型のモバイルモデル「EB-W51GJ-R」(レッド)および「EB-W51GJ-S」(シルバー)の2サイズ3機種。価格はホームモデルが5万4800円、モバイルモデルが3万9800円。