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 ブライアン・グリーン著「宇宙を織りなすもの」(上)は、宇宙の基本構成要素と思われる時間と空間について、古典物理学、相対性理論、量子力学、宇宙論、統一理論などを通じてその実像に迫ろうとするものです。この種の解説本に親しんでいる読者にとっては内容的に特に新規なものはないが、様々な切り口を駆使してわかりやすく書かれており、再学習として一読しておく価値はあると思います。

 物理理論における時間反転対称性と整合しない現実の宇宙における時間の矢は、宇宙の始まりでの低エントロピーにもとづくとの説明はわかりやすい。量子力学における観測問題については、最近の解釈である環境との相互作用によるデコヒーレンス理論を最も有望とし、量子レベルでもデコヒーレンスに要する時間は極めて小さく、ほぼ瞬時であることを明示しています。ましてや、日常世界のマクロな物体では直ちに量子干渉は消滅し、量子の確率をおなじみの古典的な確率にしてしまうということです。


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