フレッシュアイ・ウィキペディアに出版不況に関する解説記事が出ていたので紹介します。
出版不況は1990年代末から言われるようになり、1997年以降出版産業の市場規模は年々縮小している。全般的な原因としては、(1)インターネットや携帯電話の普及などによる「活字離れ」(読書離れ)、(2)余暇時間の過ごし方の多様化(娯楽の多様化)、(3)少子化、直接的な原因としては(1)競合市場の出現、(2)出版流通システムの問題があげられています。
競合市場としてはインターネット、新古書店、漫画喫茶等の二次流通市場、携帯電話、電子辞書、図書館をあげています。出版流通システムの問題としては、システムが次のような負のスパイラルに陥っているとの意見があるそうです。(図はクリック拡大)

また、数は見込めないが常に一定の需要がある優良図書が置かれるべきスペースを増大する一方の新刊本が奪い、出版社も書店も新刊本の販売を優先し、質の高い書籍が人目に触れず、それが結果的には活字離れを助長していると指摘する声もあるそうです。この他、客注が遅いなど顧客サービスが悪いことも指摘されているということです。
二次流通市場対策として、レンタルブックについては、2005年に書籍・雑誌に貸与権が付与されたことに伴い、業者が著作権者に使用料を払うことで決着。マンガ喫茶については、貸与ではなく展示にあたるため貸与権の適用はないが、著作権者と業者との間で自主的な話し合いが持たれ、2003年に使用料の交渉を始めるとの暫定合意がなされた。また、公共図書館におけるベストセラーの複本購入問題について、2004年に日本図書館協会が調査報告を公表し、指摘されたような実態はほとんど無かったことが判明しているそうです。