ネット記事によると民事再生法による再建手続き中の出版社の草思社を応援する動きが書店に広がっているという。書店から激励のファクス、店頭での再建支援フェアや集団購入(東京・池袋のジュンク堂、文京区の志夢ネット加盟店、千代田区のティーエス流通協同組合加盟店)など。
草思社は多くのベストセラーを生んだが、最近は大ヒットがなく、01年度に28億円だった売り上げが、昨年度は13億5000万円に落ち込んだ。致命的だったのは「従来のベストセラーづくりの手法が通用しなくなった。いい本を出しても売れない。」とのこと。
草思社不振の背景に、書店の疲弊があるという。90年代半ばに約2万3000店あった書店が現在は約1万7000店。生き残るため早めに返本して、仕入れの資金を回収する動きに拍車がかかっているという。
書籍の新刊点数は年々増え、06年は約8万点。90年に比べて倍増したが、販売額は2割増の約1兆円。出版社は新刊を出すと取次から前払い金が入るが、返本が多いと最終的に過払いが発生し、それを埋めるためにもまた新刊を出す。
草思社の新刊も90年代前半は50点前後だったが、昨年度は過去最多の108点にまで急増。「その結果が書籍全体で4割近い返本率。草思社の問題から、悪循環にはまりこんでいる現状を問い直す契機にしなければならない」ということです。