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 本文中へ複数の画像を続けて挿入する場合、画像の説明文の近くに画像を配置するには工夫が必要です。画像配置にはfigure環境を使います。TeX原稿の一部をサンプルとして示します。

 documentclass{ },usepackage[dvipdfm]{graphicx},begin{document}などのコマンドはmain.texで前置されています。図番はref{ }で取得し、ref{ }とlabel{ }で{ }内の文字を同じにします。caption{ }は図タイトルを表示します。対応する文と図をできるだけ近くに配置するために、1ページに配置する図のサイズと数量を、改ページ命令のclearpageや文の挿入位置で調節しています。それでも旨く配置されないときはbegin{figure}~end{figure}のfigure環境を2つに分けて図の配置を調節しています。

 適不適は事前にはわからないので、実際にはコンパイル-出力画面を見てから少しずつ調節することになります。最初はあまり考えずにやっていたので、挿入したはずの画像がどこかにいって見あたらなくなったり、対応する文と図がかけ離れた位置に飛んだりしました。

(2)作業過程\\
図ref{fig:hontai-mikaesikotei}に示すように書籍本体を2枚の見返しで挟み、4辺をきちんと揃えて書籍の背側をクリップで、腹側を紙バンドで固定します。作業中天地、表裏、背腹が分かるように見返しの隅に印をつけておきます。次に、図ref{fig:hontai-seihonkikotei}に示すように背側が約3mm飛び出た状態にして、製本機で固定した後クリップを取り外し、しおりを挿入します。
画像配置1
書籍本体と見返しの固定
図3.17 書籍本体と見返しの固定
製本機による固定
図3.18 製本機による固定
図ref{fig:hontai-mizokakou}に示すように、製本機を立てて書籍本体の背の部分を糸鋸で切り込み、深さ1mm程度の溝を背の全長に5mmピッチで作成します。次に図ref{fig:hontai-segatame}に示すように、しおり端部と一緒に背の全長にグルーガンで溶融樹脂を塗りつけます。図ref{fig:hontaise-jyusi}に樹脂塗布状況を示します。図ref{fig:hontai-cookingsheet}に示すように、樹脂を塗布した背全長にクッキングシートをかぶせます。\\
画像配置2
書籍本体の背全長への溝加工
図3.19 書籍本体の背全長への溝加工
背全長へ溶融樹脂を塗布
図3.20 背全長へ溶融樹脂を塗布
背全長の樹脂塗布状況
図3.21 背全長の樹脂塗布状況
クッキングシートの設置
図3.22 クッキングシートの設置

 画像配置や改行位置、行頭インデントなどを修正して、やっと本体部分の原稿の電子化が終わり、表紙カバーのデザインとバーコード作成を残すだけになりました。そこで忘れないうちに今回の問題点と解決過程を記録しておくことにします。

 先ず、本文への画像挿入配置について記します。TeXによる画像表示は画像形式と画像出力ソフトによってコマンドが異なります。

(1)EPS画像の表示
 事前にフリーソフト"Ghostscript"がインストールされていなければなりません。TeX文は次のようになり、コンパイルするとこれと同じフォルダに保存されていた画像が表示されます。
EPS画像挿入

tiger

LaTeX解説本では、この方法はおそらくpdfTeX以外ならどんな出力ソフトでも使えるはずとなっていますが、実際にはdvips以外はうまくいきませんでした。また、画像をEPS形式に変換しなければならないし、書籍データは最終的にPDFファイルとして保存するので、出力画像がPDFビュワーで読取れないことになります。

(2)BMP画像の表示(dviout)
 出力ソフトはdvioutを使用します。画像の横サイズ、縦サイズ(ピクセル数)を[bb=0 0 横 縦]の形式で書いておきます。
BMP挿入画像

mirai

 この方法もdvioutによる出力画像がPDFビュワーで読取れないことになります。

(3)JPEG,PNG画像の表示(dvipdfm(x))
 TeXの出力をPDFファイルに変換するdvipdfmやdvipdfmxを使いますが、graphicxパッケージを読み込む際のオプションとしては、いずれの場合もdvipdfmを指定します。本文のPDF化とマッチングしテキスト、画像ともPDFビュワーで読みとれ、そのまま印刷できるので実際的な方法です。TeX文は次のようになります。
JPEG画像挿入

marabu


(4)PDF画像の表示(dvipdfmx)
 出力ソフトはdvipdfmやdvipdfmxとなっています。解説本では、TeXはPDFのbb情報を読みとれないためbbファイルをTeXコマンドで作成するように書いてありますが、これを作ってもPDF画像の余白が広くなりすぎて旨く表示できませんでした。高価なソフトのAcrobatを使って事前に余白を切りつめておく必要があるようで、とても採用できません。

 以上のことから、今回はすべての画像表示を上記(3)の方法で行うことにしました。


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