バーコード作成のLaTeXパッケージファイル”pst-barcode”を解析中ですが、13桁のISBNコード生成サンプルをみると、13桁のJAN(EANと同じ)と同じバーコードシンボルになっていて、日本の書籍JANコードとは下記の点で異なることが分かりました。
(1)左右ガードバーおよびセンターバーが、キャラクタバーより長く下に突き出ている。
(2)先頭のキャラクタが左ガードバーの左側にはみ出している。
(3)バーの高さやバーコード全体の横幅の寸法が異なる。「日本図書コード・書籍JANコード実施の手引き」によれば、高さ11mm、横幅31.35mmとなっている。(バーコードシンボル構造の規定なし)

図1 ISBNバーコード 図2 書籍JANコード
これらの差は、パッケージファイルの内容をある程度理解できれば、LaTeXコードを修正することでなくすことができると思いますが、書籍JANコードのバーコードシンボルのモジュール寸法やバーの組み合わせとキャラクタの対応などの内部構造が不明なので、上記(1)~(3)を修正するだけで良いのかどうか判断できず、困りました。
そこで、3日間ネットで調べ回り、ISBNバーコードに対応する13桁EANを取り入れたJANのバーコードシンボルは、JIS X0501(1985)に規定されていることが分かりました。つまり、JIS X0501に従ってバーコードシンボルを作成すれば、ISBNバーコード=13桁EANと同じになるということです。しかし、肝心の書籍JANコードのバーコードシンボルを規定した規格・規準は、どうやっても見つかりませんでした。
やむなく、書籍JANコード管理元の流通システム開発センターやバーコードのフィルムマスター作成業者、バーコード作成ソフト開発者・販売元などの関係先にメールで問い合わせました。2,3日して流通システム開発センターから電話があってやりとりした結果、書籍JANコードのバーコードシンボルはJIS X0501に準じており、外観だけを図2のようにしていることが分かりました。
センター担当者の話では、技術的には13桁JANコード(JIS X0501)でもバーコードリーダーによる読み取りに問題はないが、人間が見たときの見た目が違うので図2のようにするのがベストであるとのことでした。これでやっと懸案事項が解決し、LaTeXによるバーコード作成ソフトの修正あるいは新規作成に取りかかれます。