今回の書籍自作にかかった費用をまとめてみました。人件費は0円としています。
(1)書籍用紙
 A5カット版100枚を2セット購入。単価264円×2セット=528円、送料315円で合計843円。ただし、実際に使用したのは85枚なので、実質費用は225+315=540円です。
(2)見返し用紙としおり
 見返しは家にあった色画用紙2枚をA4にカットし、しおりも家にあったものを流用したので、費用は0円です。
(3)表紙用紙
 ・B4ケント紙5枚 230円。但し、実際に使用したのは1枚(練習用)なので、実質費用は46円。
 ・B4光沢紙(インクジェットプリンター用)10枚 500円。但し、実際に使ったのは練習用も含めて4枚なので、実質費用は200円。従って、実質費用合計は246円。
(5)原稿作成
 フリーの組版ソフトTeXを使って自分で作成したので費用は0円です。表紙に使った写真画像はネットのフリー素材なので費用は0円です。
(6)印刷
 書籍本体は私所有のレーザープリンターで印刷、表紙は知人のインクジェットプリンターで印刷してもらったので、費用は0円です。
(7)製本
 製本機、グルーガン、樹脂スティック、アイロン、クッキングシート、クリップなどの製本道具類は、家にあったものを使用し、製本作業はすべて自分と配偶者で行ったので、費用は0円です。

以上をまとめると、1冊(A5版169ページ)の書籍製作に要した実質費用は、書籍用紙540円+表紙用紙246円=786円となります。製造原価をこれくらいに抑えないと、出版してもペイしないと考えます。

 いよいよ製本の本番を実行することにして、製本過程をデジカメで撮影しました。
(1)準備品
準備品は、図1に示す書籍本体(A5,169ページ)、表紙(B4)、見返し(A4半折り2枚)、しおり、および図2に示す製本機(木製)、グルーガン、スティック(樹脂)、アイロン、クッキングシート、クリップです。
図1図2
図1 準備品A  図2 準備品B

(2)作業過程
図3に示すように書籍本体を2枚の見返しで挟み、4辺をきちんと揃えて書籍の背側をクリップで、腹側を紙バンドで固定します。作業中天地、表裏、背腹が分かるように見返しの隅に印をつけておきます。
次に、図4に示すように背側が約3mm飛び出た状態にして、製本機で固定した後クリップを取り外し、しおりを挿入します。
図3図4
図3 書籍本体と見返しの固定  図4 製本機による固定

図5に示すように、製本機を立てて書籍本体の背の部分を糸鋸で切り込み、深さ1mm程度の溝を背の全長に5mmピッチで作成します。次に図6に示すように、しおり端部と一緒に背の全長にグルーガンで溶融樹脂を塗りつけます。図7に樹脂塗布状況を示します。図8に示すように、樹脂を塗布した背全長にクッキングシートをかぶせます。
図5    図6
図5 書籍本体の背全長への溝加工  図6 背全長へ溶融樹脂を塗布
図7図8
図7 背全長の樹脂塗布状況  図8 クッキングシートの設置

図9に示すように、クッキングシートの上からアイロンをかけ、樹脂を溝に溶け込ますとともに樹脂表面を平滑均一にします。ある程度冷えてからクッキングシートを取り去り、図10に示すように本体背に背表紙中心を合わせて表紙をセットします。
図9    図10
図9 背の塗布樹脂へのアイロンがけ   図10 本体背への表紙設置

表紙の上にクッキングシートをかぶせ、図11に示すように、本体背の部分と背表紙部分が再溶融した樹脂で接着するようにアイロンをかけます。冷却固着後クッキングシートを取り外し、図12に示すように、製本機のネジをゆるめて書籍全体を8cmくらい引き出し、再度ねじを締めて固定した後、表紙を表裏とも本体側に折り曲げます。引き出された書籍本体部分の下にアイロンがけのための台を置きます。
図11図12
図11 背表紙の接着       図12 表紙折り曲げ、セッティング

図13に示すように、クッキングシートをかぶせ、表紙側部と本体が背側からはみ出した樹脂の再溶融により接着するようにアイロンをかけます。図14及び図15に出来上がり状態を示します。
図13図14
図13 表紙側部と本体の接着  図14 出来上がり(表側)
図15
図15 出来上がり(背側)

今回の製本作業で気が付いたことは、写真画像をインクジェットプリンターで印刷した表紙にアイロンがけで熱を加えるとインクが変色する場合があるということです。従って、表紙内容は題名、著者名などの文字情報に限定して、表紙は190K程度の紙に本体と同様にレーザープリンターで印刷し、写真画像をインクジェットプリンターで印刷したものは、表紙カバーとして作成した方が良いとうことです。それなら表紙の変色もなく、表紙をくるんだ表紙カバーの上からブックコートフィルムを貼れば、書籍の仕上がりがきれいで保管も容易になります。次の機会にはこの方法で製本しようと思っています。

 市販書籍では表紙の保護のためにPP加工が施されているものが多いようです。これを自作書籍にも適用できないかとネットで色々調べてみましたが、PP加工には特殊な装置が必要で、個人で実行するのは無理のようです。1枚の紙を両面で挟み込むホットラミネート加工というのがありますが、くるみ製本した書籍の表紙保護には使えそうもありません。

 書籍製作を100%自力でやる方針でしたが、表紙加工だけは外部に発注せざるを得ないかと半分あきらめていました。しかし、ネットで調べると表紙加工の費用が結構高く、書籍製作費用に占める割合が大きくなって、必要最小限の費用で書籍出版という当初の目標が達成できないことになります。それでは悔しいので何とか方法はないかと未練がましく模索していたある日、図書館の本は何らかの保護が施されているのではないかとひらめきました。

 たまたま図書館から借りている本があったので手にとってよく見ると、図書番号のバーコードや分類記号のラベルの上から、本の表紙をくるむように薄い透明シートでカバーされ、表紙の裏に貼り付けて固定していることが分かりました。つまり、この透明シートは市販されており、図書購入後、図書館で貼り付け施工されたものであることを物語っています。

 そこで、検索語を色々変えてネット検索してみると、ブックコートフィルムコートフィルムあるいは透明コートフィルムという名称でネット販売されていることが分かりました。各種サイズのロールタイプ、平板タイプ、テープタイプがあるようで、価格もA5サイズの書籍1冊分換算で60円くらいなので利用できそうです。


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