(9)テキスト欄の作成
項目タイトルの下に次の方法で3つのテキストコラムを作成します。幅40mm、高さ210mmのテキストフレームを作り、座標X=73mm,Y=80mmの位置に置きます。このフレームをアイテム->複写コピーで2つ複写します。図15に示すように最初のフレームと先の論説フレームの間隔と同じ間隔を3つ目のフレームとページ端の間に設けます。残りのフレームはこれら2つのフレームの中間に置きます。移動はフレームをクリックしてマウスでドラッグするか、プロパティのX,Y座標値を変えることで行えます。
fig15

図15 テキスト欄の作成

(8)論説欄を含むテキストフレームの作成
テキストフレームを作成し、右クリック->プロパティでサイズを幅44mm、高さ213mm、位置をX=23mm、Y=76mmにセットします。そしてプロパティ画面で色タブをクリックし、フレームカラーをYellowGoldに選び、充填ボックスを10%にします。
次に、図12に示すようにフレームを右クリック->テキストを取得で、あらかじめ保存されているテキストファイルscribus.textをフレームにインポートします。
fig12

図12 フレーム内へのテキストインポート

高さ24mm、幅234mmのフレーム内に、サイズ21ptのGothicLDem Obliqueフォントのテキスト”editorial”を入力し、テキスト編集ダイアローグで文字間隔を、表記A|V横のボックス内を手動トラッキングすることで300%にします。文字色は100% YellowGoldにします。次にフレームのプロパティ画面で回転を90に設定することでフレームを90°回転します。文字列”editorial”の底部を先ほど作った論説フレームの左端に置き、高さ方向を図13に示すように調整します。

fig13

図13 垂直テキストの作成

図14に示すように、項目タイトル”Scribus, professional page layout under Linux”を作成します。サンプルのフォントはGothicLDem Regularでサイズは30ptと12ptです。
fig14

図14 項目タイトルの作成

(7)文字列の追加
表題文字の一部である”cribus”の下に引いた黄色線の下に、2つの文字列を追加します。線の左端にテキストの開始点をそろえて、”The Linux DTP magazine”とします。また、線の右端にテキストの終端をそろえて、”Number 1 – November 2001”とします。図11の事例では、サイズ9pt、間隔0のURWGothicL Regularフォントを使用しています。

後者のテキストを作る場合、前者のテキストフレームを選択し、メニューのアイテム->複製コピーで、部数1、水平移動60mm、垂直移動0mmとすることで、同じ特性(フォント、サイズ、間隔、フレームの垂直位置)のフレームが作成できます。後は、新フレーム内のテキストを編集し、右詰めにします。
fig11

図11 文字列の追加

(6)画像の取り込みと表示
挿入メニューの画像フレームまたは画像フレーム挿入アイコンをクリックし、任意サイズの画像フレームを作成します。フレームを選択した状態で右クリック->プロパティを選択し、ダイアローグでサイズを26mm×26mmに設定します。フレームをマウスでドラッグして黄色い線の下で、テキスト及び線の水平方向中央に置きます。
フレームを選択し、右クリック->画像を取得で、あらかじめファイルに保存されている画像”gnu-head-sm.jpg”を取り込みます。
fig10

図10 画像フレームの作成および画像の取得表示

フレームのプロパティで画像タブをクリックすると表示されるダイアロ-グで分かるように、画像はフレーム内のX,Y座標が0の位置を起点として比率100%で取り込まれ、フレームが画像より小さいため、画像が切り取られています。そこで全画像をフレーム内に入れるために、比率X、比率Yを55%にします。比率X,Yの右隣にある鎖シンボルは、連結させた場合はXとYが同じ比率で追随し、離した場合は異なる比率で個別に変えられることを示します。

(5)表題文字の追加と下線入力
図9に示すように、新しいテキストフレームを作成し、「フレームの内容を編集」アイコンをクリックしてフレームに”cribus”を入力し、右クリック->テキストの編集を選択して、Sと同じフォントでサイズ98pt、文字間隔5%に設定します。
fig9

図9 小さい表題文字と下線の入力

メニューの線ツールアイコンをクリックし、線ツールでテキストの下にSと同じ色でテキストと同じ長さの1pt幅の線を追加します。線を右クリック->プロパティを選択し、ダイアローグで長さ、線幅、色を指定します。色の指定は「色」タブを選択し、線の色のプロパティを編集アイコン(L)をクリックしてから、リストからYellowGoldを選択することで行います。線を確実に水平にするためにはダイアローグで回転欄に0を入力しておく必要があります。フレームが目障りな場合は、ビューメニューで、フレームを表示を非選択にすると、フレームが表示されなくなります。

(4)フレームの複製コピーと属性変更
Sを含むフレームを再び選択し、マウス右クリック->プロパティ->テキストの順にクリックし、色充填アイコンをクリックしてリストから”YellowGold”を選択します。これでテキストSは選択色になります。Sを含むフレームを再び選択し、アイテムメニューの複製コピーを選択して、図7のダイアローグ画面で部数1、水平移動1mm、垂直移動1mmを入力し、OKをクリックします。
fig7

図7 表題文字の複製コピーと色変更

これによってSのフレームのコピーが作られ、元のフレームの右下1mmの位置に重ねて表示されます。文字色を100% Blackに変えるために、新フレームを選択し、右クリック->プロパティ->テキストを選択し、充填アイコンをクリックしてリストからBlackを選択します。

新フレームを選択しアイテムメニューのレベル->背面を選択すると、図8に示すように黒のSが黄色の下におかれ、影のように見えることになります。

fig8

図8 フレームレベルの変更

Shiftキーを押しながらSの両フレームを選択し、アイテム->グループ化をクリックすることで、2つのフレームを配置を保ったまま一緒に移動できます。

(3)新しい色の作成
編集メニューで「色」を選び、新規をクリックします。図6に示すダイアログボックスで新しい色の名前”YellowGold”を入力し、magenta(M)に20、yellow(Y)に100を入力し、OKをクリックすると、選択色”YellowGold”が保存されます。作成した色は編集->色をクリックし、ダイアローグからYellowGoldを選択することで使用できます。
fig6

図6 新しい色の作成

ホンニナル出版のデータ確認後の状況を報告します。データ確認メールがきてから1週間後、写真に示すような本が送付されてきました。製本はしっかりしていて見栄えも悪くありません。市販の本と比べてもなんら遜色がありませんでした。これで製造原価が市販本と同程度になれば言うことはないのですが・・・。
自作本の外観


(2)表題
表題”Scribus”は2部分で描かれます。つまり、大きくて色つきの”S”と小さくて黒の”cribus”です。
メニューの挿入->テキストフレーム、またはテキストフレーム挿入アイコンをクリックし、適当な位置と大きさのテキストフレームを作成します。次にマウスの右クリックによるポップアップメニューのテキストを編集をクリックするか、メニューの編集->テキストの編集、またはテキスト編集アイコンをクリックしてストーリエディタ画面を表示させます。ここでサイズとフォントを設定して大文字Sを入力し、メニューの編集->テキストフレームの更新またはテキスフレーム更新アイコンをクリックします。このとき、フレームサイズが小さいと文字が表示されないので、表示されるまでフレーム隅のマウスドラッグでフレームを拡大します。図5に示すサンプルではサイズ195ptの”Bookman Old Style Regular”というフォントを使用しています。

なお、右クリックでフレームのプロパティを開き、形状タブをクリックして、Text Flows Around Frameを非選択にし、色タブをクリックして「なし」を選択しておきます。(デフォルトではこうなっているので、通常は設定不要)
fig5

図5 表題文字の入力と属性設定

(1)表題紙
メニューの挿入->形状、またはツールバーの矩形アイコンをクリックし、矩形フレームを作成します。ページのどこかに任意サイズの仮の矩形を作り、マウスの右クリックで開くポップアップメニューのプロパティを左クリックすると、図3に示すプロパティ設定のダイアローグが表示されます。ここで、フレームの位置決め(X,Y座標)及びサイズ(W,H)設定を行います。
fig3

図3 矩形フレームの作成とプロパティの設定

なお、デフォルトではページサイズなどの単位がptになっているので、ここでmm単位に変更します。メニューのファイル->ドキュメント設定をクリックしてダイアローグを開き、ページサイズの単位にミリメートル(mm)を選び、OKをクリックします。

図3でX,Y座標を-2.00mmに設定しているのは、フレームがページ全面を確実にカバーするためです。また、フレーム高さHが297mm(A4ページの高さ)+4mm(ページ端から上下2mmはみ出し)の301mmになっていることに注意してください。フレームの位置決めおよびサイズ変更はマウスのドラッグでも行えます。

次に図4に示すように、フレームをクリックしてプロパティ設定ダイアローグを再び表示させ、メニューの色(C)をクリックし、塗りつぶし色をBlackに選び、充填アイコンをクリックしてプルダウンメニューから 50%を選びます。また、線(L)は線幅を1ptとし、色(C)はBlack 100%に選びます。

fig4

図4 フレームの色の設定

経 緯
以前に予告していたオープンソースDTPソフトScribusの使用例を報告します。Scribusの最新バージョンは1.3.3ですが、これについているマニュアルと称するものは英語で書かれている上に、DTPソフトに対するある程度の予備知識がないと分かり難くて使えません。

そこで、ネットで調べてScribusのチュートリアルを見つけました。これはユーザーが作成したと思われる古いバージョンのScribus0.4.8に基づいたフランス語版チュートリアルを、他のユーザーがバージョン0.5.5を反映して翻訳した英語版チュートリアルです。一通り日本語に翻訳してみましたが、これも古いバージョンに基づいているため、メニューの表記や操作画面が最新版と大幅に違っている、英語の構文がおかしいなどの難点があります。私はこの日本語版を見ながらScribus1.3.3をチュートリアルに沿って使ってみましたが、メニューの表記や操作画面が実際のものと違うので理解するのに苦労しました。

そこで、ここではチュートリアルの構成は英語版に沿ったものとし、操作メニューの表記や操作画面は最新版のものに置き換えて説明することにしました。以下に改訂した日本語版チュートリアルを示します。

1.新文書作成
Scribus1.3.3を起動すると図1に示す初期画面が表示される。これはドキュメント設定のダイアローグで、ページレイアウト、ページサイズ、方向、マージン(余白)などを設定するものです。
fig1

図1 起動時初期画面(ドキュメント設定ダイアローグ)

新規ドキュメントのタブを選び、ページレイアウトを単一ページ、ページサイズをA4、縦方向でマージンをすべて0に設定し、OKをクリックすると、図2に示すドキュメントデータ入力ページが表示されます。
fi2

図2 ドキュメントデータ入力ページ

ホンニナル出版にデータを入稿した後の状況を報告します。入稿の翌日、表紙の背幅が狭いので9mmから16mmに作り変えるよう要請がありました。台紙は背幅が9mmだったので、16mmにすると表と裏面のサイズが小さくなるが問題ないかどうか、更新データのアップロード方法などをメールで問い合わせましたが、折り悪くその日は土曜日で、ホンニナル出版の休日(土日、祝日)だったので、回答は月曜日に持ち越されました。

月曜日に回答がきて、背幅変更は他に影響しないので問題ない、更新データはメール添付で送付すればよいとのことだったので、早速データを作り替えて送付しました。すると直ぐに返信がきて、奥付の位置が違っているとのこと。ホ-ムページに表紙の作成上の注意事項として、裏表紙の所定位置に所定寸法の奥付を記入するので、そこには文字、画像、地色など一切載せないようにすること、とあったので苦労してそれ以外の領域に地色を付けていたのです。背幅を変えたので奥付の位置と寸法がずれたようです。

奥付はホンニナル出版が入れるので、奥付の空白部なしにしてくれということだったので、裏表紙全面に地色を付けて、再度作り替えたデータを送付しました。その2日後、データ確認完了のメールがきて、サイトにログインして出版を確定する操作や、自分用に購入する場合の操作をするよう要請がありました。早速ログインして出版確定ボタンを押し、定価を決めると(これによって著作料が逆算される)、直ぐにホンニナル出版のオンラインマーケットに表紙と本文2ページ(プレビュー用)がアップロードされていました。

私の本はA5で224ページとなり、定価2888円となっています。製造原価が結構かかっているし、ホンニナル出版の販売手数料(定価の20%)も含まれるので、ロイヤリティは、通常の出版のような印税が定価の10%などという高額を取得しようとすると、べらぼうな定価を設定しなければならなくなります。そこで著作料が定価の3%以下になるように定価を決めざるを得ませんでした。書店に出回っている商用出版の本では、出版部数が桁違いなので当然ですが、小説だと500ページで1700円くらいなので、電子出版は極めて割高になります。不特定多数の一般読者がアマチュアの電子出版本を買う気になる値段とはとても言えません。

私の本もこの値段で買うかと問われれば正直言ってNOなので、恐らく誰も買わないでしょう。それで、やむなく記念として、また本の仕上がりがどの程度かを見るために、自分用に一冊購入する手続きをしました。このシステムは確かに電子本までは無料出版ですが、印刷、製本、展示、販売すれば当然各段階で費用が発生し、部数が少ないために通常の商用出版より大幅に割高になり、著作料収入を期待するのは無理という難点があります。出版して大部数売れる見込みのある原稿なら最初から出版社が買い取って出版するだろうし、そうでない原稿を本にしたければ高額の費用がかかる自費出版か、この無料出版システムのようなものを利用するしかないのでしょう。

従って、このシステムの意義は、不特定多数の読者への販売による著作料取得にあるのではなく、格安の自費出版が可能になるということにあると考えます。例えば、私の本を出版社を通じて従来型の自費出版で出そうとすると100部で200万円くらいかかりますが、このシステムでは100部購入した場合、一冊2888円なので28万8千円で作れることになります。自分用に購入した場合は製造原価で購入できるのでさらに安くなります。もちろん購入しなければ費用は発生しません。それにしても、製造原価をもっと下げる方法はないのでしょうか?さらに継続して調べて報告します。

以前に予告していたとおり、無料出版をうたっているホンニナル出版を試用してみましたので、入稿までの状況を報告します。

出版希望者は、先ず個人情報を登録する必要があります。これが今時珍しく一定書式のpdf文書をダウンロードして所定事項を記入(pdfファイル編集ソフトを持たない人は印刷した用紙に手書き)し、郵便で返送しなければならないという旧来の手続きを要求していてうんざりします。個人情報のセキュリティを考慮しているのかもしれませんが、オンラインでもそれは可能でしょう。

ユーザー登録が承認されると次は本の仕様を決める段階に移ります。ホンニナル出版サイトにログインし、与えられた出版ユーザー専用パスワードで専用ページを開き、本のタイトル、著者名、サイズ、ページ数、製本方法など、所定事項を入力し送信すると本の仕様登録が完了し、台紙をダウンロードすることになります。これであとは原稿をpdfファイルにしてアップロードするだけ、と簡単に考えていましたが、実際はこの後ゴチャゴチャとかなり面倒な作業で疲れました。

私の本の原稿は、元はWordで書いたA4で99ページのSF小説ですが、A4の小説なんて変なので本のサイズはA5にしました。Word用の台紙は表紙用しかなく、本文用のところには分かりにくい説明文が表示されていました。「Wordはトンボの概念がなく、付けてもページを追加していくと消えてしまうので、トンボは付けなくて良い」、「Wordの場合は仕上がりサイズでデータ作成する」等々。

トンボって何? ネットで調べてやっと、印刷した紙を所定寸法に裁断するときの位置標識みたいなものだと分かりましたが、業界用語を注釈なしに使われても素人は困ります。トンボの意味はわかっても具体的にどうすればよいのかピンときませんでしたが、要はA5に入れば良いのだろうと解釈しました。

このほかにも、「ノンブルがない場合の乱丁、落丁はクレーム対象外」という文言もあります。ノンブルって何? ネットで調べるとページ番号のことだと分かりましたが、慣れない業界用語には疲れます。

A5用紙の4辺に幅5mmの裁断代をもうけ、さらに綴じ代7mmを考慮して上、左右の余白を20mm、下はページ番号を入れるため余白を30mmにしたページレイアウトで原稿データを挿入、保存したWordファイルを作成し、これをクセロPDFでpdf文書に変換しました。変換するたびにクセロのHPが開かれるのがちょっとわずらわしいですが、変換操作そのものは極めて簡単で、Word文書を開いて印刷ダイアローグでプリンタにクセロPDFを選びOKボタンをクリックするだけです。

A5 pdfファイルに変換すると当然ページ数は元のA4ファイルの場合の約2倍になります。従って本の仕様でページ数を変更しなくてはならないことになります。なお、目次を作っていなかったので追加作成しました。

問題は表紙の作成です。ダウンロードした台紙をみると四隅と上下辺中央に短い細線が数本書いてあるだけで、どうすればよいのかサッパリ分かりません。仕方なく使い方の説明書はないのかメールで問い合わせましたが、「Wordの使用法の説明書はありません」という回答で要領を得ません。Wordの使用法云々の文言からWordで作れるようになっているのだろうと考えて、それならWordの挿入メニューから表紙を構成する画像や文字を台紙に挿入する操作をすればよいはずだと気がつくのに一日かかりました。

表紙の背景画像にするものをネットで調べ、印刷に耐えうる品質の高解像度のフリー画像を見つけましたが、販売する本への使用は商用目的になるので、使用者や使用場所、使用方法の詳細を記述して使用申請する規定になっていました。申請してしばらくすると、WEBでの使用は無条件でOKだが、印刷本への使用はフリー画像提供元のホ-ムページのURL表記と完成品2冊の提供を使用許諾条件にするとの回答がきました。

URL表記は問題ありませんが、完成品2冊の製造原価は約2000円で、自分で購入して提供すると4000円の出費になるので受け入れられないと返信しました。すると、完成品の代わりに当該画像を使っている箇所のpdfファイルを送付してくれと言ってきたので、直ぐに送付したところ、使用を許可するとの回答を得ることができました。

台紙上で、挿入した背景画像の上にWordのテキストボックスでタイトルと著者名を配置し、背文字を入れ、背幅部分と裏表紙の奥付領域以外の領域に色を付けて表紙が仕上がりました。これをクセロPDFでpdfファイルに変換、保存しました。やれやれ。

これであとは、表紙と本文のpdfファイルをアップロードするだけですべて終わると思っていたら、プレビュー用の表紙と本文2ページを、JPEG形式のファイルにしたものをさらにアップロードしなければならないようになっているのです。面倒ですね。仕方がなく、表紙と本文のpdfファイルを開いて画面をキャプチャし、ビットマップソフトのペイントに貼り付け、必要部分を切り取ってビットマップ形式でファイルに保存、これをFireworksなどの画像ソフトでJPEG形式に変換してファイルを保存、アップロードという面倒な作業を経て、やっとのことで終了しました。あとはホンニナル出版からのアップロードデータの確認チェック待ちです。

現在、印刷物の作成はほとんどDTPで行われるようになっており、商業出版物でも版下の作成までをパソコンで行い、保存した電子文書を印刷所に持ち込んで出版されるようになっています。電子文書の保存形式としてはPDFが最も一般的になっており、本の原稿もPDFドキュメントとして作成する必要があります。

PDFドキュメントの作成方法は様々ですが、DTPソフトは大抵作成したデータをPDFファイルとして保存する機能があるので、DTPソフトで原稿を作成した場合は問題ないと思います。例えば、前回紹介したDTPソフトのScribusもPDFファイル保存機能があります。

Adobe のInDesign、Photoshop、IllustratorなどのPDF書き出し対応アプリケーションで原稿を作成する方法もありますが、ソフトが高価であるという難点があります。MicrosoftのWord、ExcelなどのOffice系のソフトで原稿を作成し、Adobe AcrobatでPDF書き出しする方法も、同じ難点があります。

この難点を解消するためにフリーソフトを利用する方法があります。Wordや秀丸などの印刷機能を持つアプリケーションで作成したファイルを、ある種のプリンタドライバーを使って紙ではなく電子ファイルにPDF書き出しするものです。このような機能を持つフリーソフトとしては、クセロPDFやPrimoPDFがあります。日本語対応はクセロPDFの方がしっかりしていると言われています。また、大日本印刷のScreen MultiStudioドライバーパッケージ(無料)というのもあります。

この中ではインストール、設定、操作が最も簡単なのがクセロPDFです。ダウンロードすれば、後はウィザードに従って簡単にインストールできて、直ぐに使えます。PrimoPDFは説明やメニューが英文で分かりにくいところがあるし、MultiStudioドライバーパッケージはなぜか旨くインストールできませんでした。印刷関係ではかなり利用されているようなので、私のPCと相性が悪かったのかもしれません。

プリンタドライバーでPDF書き出しする方法は簡単ですが、修正や変更など編集が必要な場合は元の原稿に帰って行わなければならないのが難点です。ただ、費用をかけないという大きなメリットがあるので、それくらいは我慢するしかありません。

本の表紙、中面、裏表紙などの各ページをDTPソフトで作成し、PDFファイルとして保存すれば、電子本としては十分ですが、やはり紙ベースで印刷・製本した古典的な本が作りたいのです。さらに、ある程度まとまった部数を出版して一般読者に販売したいという欲望もあります。

印刷はパソコンとプリンタがあれば何とかなりますが、製本は、部数が多くなると手作業では効率が悪く、製本機の作成はやっかいだし、購入は費用がかかる上に稼働率が低くて不経済だと思います。個人で出版・販売するということになると、作った本を近隣の書店に頼み込んで置かせてもらうか、知人・友人のつてを頼って売りつけるくらいで、全国的な展開はとても望めません。つまり、製本・出版・販売を個人ですべてやるのは現実的ではないということです。

ネットで調べていたら、この問題を解決できそうな方法が見つかりました。「ホンニナル出版」というネーミングがいまいちのサイトですが、本の原稿をPDFファイルにしてサイトにアップロードするだけで、無料で出版できるというものです。そして「ホンニナルマーケット」に展示・出版して、買い手がつけば印刷・製本・発送・代金回収までやってくれて、ロイヤルティが指定口座に振り込まれるということです。

このシステムでユニークなのは、本の販売価格を出版希望者(著者)が決めるというところです。
販売価格(定価)=製造原価+ロイヤリティ+手数料となっていて、製造原価は本に関する情報を入れると自動的に計算されます。定価は製造原価の125%以上の金額で出版希望者が決めます。定価の20%がホンニナル出版の手数料となり、残りがロイヤリティとなります。また、自分の出版物は製造原価だけで購入できます。

最大のメリットは経済的なリスクが全くないと言う点ですが、一般書店での流通販売はできないのが玉に瑕です。一度このシステムを試しに利用するつもりなので、実行したら結果を報告します。

今時、個人で本を作ろうとするとDTPを使うことになると思いますが、市販のDTPソフトは高価すぎて手が出ないので無料ソフトをネットで調べたら”Scribus”というオープンソースDTPソフトがありました。一通り使ってみましたが、機能的には高度なもので、市販のDTPソフトに引けを取らないと思います。作成したドキュメントはPDF形式で保存することもできます。

ただし、現状はドクメント作成における日本語対応が十分ではなく、フレーム内の日本語テキストの編集が外部テキストファイルからのインポートという間接的な方法になります。また、テキストは横書きだけで、縦書きができないようです。操作メニューなどはほとんど日本語化されており、違和感はありません。

”Scribus”はオープンソースなので、OSのLinuxのように次々と進化しているようで、いずれドキュメント編集の日本語対応も完全なものに近づいていくものと思われます。”Scribus”の具体的な使用例については次の機会に紹介したいと思います。

本を出版したいと思っている人は多いのですが、アマチュアが原稿を出版社に持ち込むとほとんどの場合、自費出版や協力出版(名称が違うだけで実質的には自費出版)を勧められ、目玉が飛び出るような高額の費用を要求されて、普通の人は断念することになります。お金がいくらかかってもよいから本を出したい人や、出版社が買い取るような商品価値のある原稿の場合は問題ないのですが、あまり一般的とは言えません。

出版社が出している懸賞小説などの公募もありますが、編集者の好みによって左右される面もあり、よほどの力量のある人でないと入選することは極めて難しいと言わざるを得ません。場合によっては、応募先から「入選の一歩手前までいった作品なのでこのまま埋もれるのは惜しい。協力して出版しませんか?」などと言われて、いわゆる協力出版(高額費用)を勧められることもあります。

それではお金も力量もあまり持たない私のような普通の人が、いくら望んでも本を出版する道は閉ざされているのでしょうか?このような疑問から、出版社に頼らずに必要最小限の費用で本を出版する方法を調べ、できれば実現したいと考えて、このブログを始めました。調べた内容は、順次紹介していきたいと思いますので、ご協力をお願いします。


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