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17.日本語縦書き書籍の奥付作成
 校正も表紙作成も終わり後は本文の印刷だけと思っていましたが、表紙ができてくるとついでに奥付も作って体裁を整えたくなりました。main.texに下記を追加し、
\backmatter % 章番号を付けない
\include{chap15} % 奥付

次のようなファイルchap15を作成しました。
\thispagestyle{empty}
\begin{flushright}
\newpage

|||||||||||||||||||||\\

\huge\textbf{未 来 の 影}\\
\vspace{2zw}

\small{平成十八年十一月十九日  印刷}\\

\small{平成十八年十一月二五日  発行}\\
\vspace{1zw}
\normalsize{著 者   }\LARGE{十 合 ヒロシ}\\
\vspace{1zw}
\normalsize{発行者   }\LARGE{戸 川 博 一}\\
\vspace{1zw}
\normalsize{印刷者   }\LARGE{渚 光 明}\\
\vspace{1zw}
\normalsize{発行所   }\huge{未 来 舎}\\

|||||||||||\\

\end{flushright}

main.texを再コンパイルしてPDFに変換すると、最終ページに次のような奥付が表示されました。
未来の影奥付


16.日本語縦書き書籍の修正版(3)
 校正用に印刷した原稿を読んで、改行、段落、行空け、字下げ等の指定や、「10年」とかの表記の場合に「10」を横に並べて表記する"rensuji"のコマンド挿入、「0.43」などの表記を「0・43」に変更するなど、日本語縦書き特有の問題を162ページにわたって手記訂正するのに手間取りましたが、やっと校正が終わり再コンパイルしてdvioutで確認し、一部再度手直ししてPDF化しました。これで本文の方は、すでに購入済みの書籍用紙に印刷するだけです。印刷は校正用で練習済みなので問題ないでしょう。やれやれ・・・。

15.日本語縦書き書籍の修正版(2)
 PC画面上での校正がやりにくいので校正刷りを兼ねて一旦印刷してみることにしました。書籍用紙を使うのはもったいないので、A4のPP紙をカッターで半分に切って使うことにしました。本はA5サイズで総ページ数162ページで、両面印刷するので印刷ミスを考慮して41枚+9枚=50枚を切断しました。

 Epsonレーザプリンタのトレーに用紙をセットし、作成した書籍PDFファイルを開き、印刷設定後、先ず奇数ページだけを印刷します。印刷物全体をひっくり返すと上から1,3,5,…と奇数ページの印刷面が積み重なった状態になります。その状態のまま文書の上端を先にしてトレーにセットし、次に偶数ページだけを印刷する設定にして印刷すると、各奇数ページの裏面に次の偶数ページが印刷された状態で出力されます。用紙の表裏と向きのセットを何回か試行錯誤しましたが、意外にうまくいきました。

 印刷して直ぐ気がついたのは、奇数ページと偶数ページで綴じ代が逆になっていること、ヘッダの柱がなくなっていて、上側余白が下側に比べて大きすぎるということです。前者はドキュメントクラスのオプションで、デフォルトのopenrightをopenanyに変えたためと思われます。後者は\chapter*{}で章番号を付けないようにしたためかと思いますが、プリアンブルに\pagestyle{headings}と記述しても柱は出力されないので、良く分かりません。

 今回の書籍は小説なので柱は必要ないと考え、上下左右のマージンだけを調整することにしました。LaTeX解説本によると、左マージンは\setlength{\oddsidemargin}{cm}や\setlength{\evensidemargin}{cm}で調整、上マージンは\setlength{\topmargin}{pt}で調整することになっていたので、それに従って何回か試行錯誤して、調整量を決めました。ついでに、タイトルページの裏ページに関連のある諺を追加しました。これらを反映した,main.texは次のようになります。

\documentclass[a5j,twocolumn,openany,papersize]{mytbook}   % tbook.cls のコピー
\setlength{\oddsidemargin}{-1cm}     % 奇数ページ左マージン:2.54-1=1.54cm
\setlength{\evensidemargin}{-0.5cm}    % 偶数ページ左マージン:2.54-0.5=2.04m
\setlength{\topmargin}{30pt}       % 上マージン:30pt
\iftombow
\addtolength{\topmargin}{-1in}     % トンボありの場合
\else
\addtolength{\topmargin}{-1truein}   % トンボなしの場合
\fi
\begin{document}
\title{\textbf{未 来 の 影}}   % 太字タイトル
\maketitle       % タイトル作成
\frontmatter      % ページ番号はローマ字、章番号は付けない
\include{chap00}    % ことわざ「未来はすでに始まっている」
\tableofcontents    % 目次を出力
\mainmatter       % ページ番号は算用数字。章番号を付ける
\include{chap01}    % 第1章 未来観測
\include{chap02}    % 第2章 地球機構
\include{chap03}    % 第3章 地球凍結解析
\include{chap04}    % 第4章 未来の選択
\include{chap05}    % 第5章 忍び寄る凍結
\include{chap06}    % 第6章 太陽系外へ
\include{chap07}    % 第7章 地下居住空間
\include{chap08}    % 第8章 ゲノム変生
\include{chap09}    % 第9章 ライフステーション
\include{chap10}    % 第10章 恒星宇宙船
\include{chap11}    % 第11章 惑星着陸
\include{chap12}    % 第12章 地下都市
\include{chap13}    % 第13章 深海生物
\include{chap14}    % 第14章 クローン人間
\end{document}

14.日本語縦書き書籍の修正版
 これまで進めてきた各種の修正を適用した原稿のTeXファイル、及びコンパイル後の出力結果の代表例を以下に示します。
(1)メインファイルmain.tex
\documentclass[a5j,twocolumn,openany,papersize]{mytbook} % tbook.cls のコピー
\begin{document}
\title{\textbf{未 来 の 影}}
\maketitle
\frontmatter % ページ番号はローマ字、章番号は付けない
\tableofcontents % 目次を出力
\mainmatter % ページ番号は算用数字。章番号を付ける
\include{chap01} % 第1章 未来観測
\include{chap02} % 第2章 地球機構
\include{chap03} % 第3章 地球凍結解析
\include{chap04} % 第4章 未来の選択
\include{chap05} % 第5章 忍び寄る凍結
\include{chap06} % 第6章 太陽系外へ
\include{chap07} % 第7章 地下居住空間
\include{chap08} % 第8章 ゲノム変生
\include{chap09} % 第9章 ライフステーション
\include{chap10} % 第10章 恒星宇宙船
\include{chap11} % 第11章 惑星着陸
\include{chap12} % 第12章 地下都市
\include{chap13} % 第13章 深海生物
\include{chap14} % 第14章 クローン人間
\end{document}

(2)各章ごとのファイル(第1章ファイルchap01で代表)
\chapter*{1 未来観測}
\addcontentsline{toc}{chapter}{1 未来観測}
 照度を下げた会議室の空気は高性能エアコンの働きにもかかわらず重く淀み、出席者の顔のまわりに張り付いていた。眉間に深いしわを刻んだ顔、口をへの字に結んだ顔、能面のように張りつめた顔、シニカルな笑みを浮かべた顔等々、どの顔も沈痛に満ちて食い入るような眼差しを円卓中央の立体画像――漆黒の空間を背景にぽっかり浮かぶ銀色の球面――に注いでいた。その下方には所々灰色に汚れた白い起伏の連なりと、広大な白銀の鏡面が拡大像として表示されていた。\\
「他の観測点はどうなっているのかね?」\\
アメリカブロック出身で、気象物理の権威として知られているジョフ・ハミルトン博士が、眉根を寄せながら疑わしげな口調で言った。\\
「残り7つの観測点からはどうしても受信できませんでした。このG観測点のデータもノイズが多くて苦労しましたが、なんとか補正してやっと解析できたわけでして……」\\
アジアブロック出身の高次元時空解析局員シン・サンダは、申し訳なさそうに小さな声で答えた。\\
「それで同定された年代はいつなのかね?」\\
ヨーロッパブロック出身で、量子時空理論の創設に貢献したと言われているリー・クライマン博士が鋭く言った。\\
「はい、西暦2300年プラス・マイナス100年と同定されています。」\\
明快に回答できる質問にほっとしたシン・サンダは張りのある声で答えた。\\
「フム、早くてあと100年か……」\\
「それではこの画像データが何を意味しているのかについて討議をお願いします。」\\
議長を務めるアフリカブロック出身で地球機構環境保護局次長のゴリ・ガリバヌがきっぱりと言った。\\
「その前に、この画像データを得るまでのプロセスを説明してもらいたい。専門家がやってるんだから間違いはないと思うが、念のためだ。」\\
リー・クライマン博士がなだめるような口調で言った。\\
「では、時空解析局から説明してください。」\\
議長がシン・サンダの方をチラっと見ながら言った。\\
「時空解析システムはクォン・セルダンらが創設した高次元量子時空理論に基づいて開発され、今月から実稼働に入ったものであることはご承知のとおりです。
我々は定期観測時に静止軌道上にある8つの観測点から地球世界線の正の時間方向に量子波動を発信し、それを受信した未来時空の観測点から発信される負の時間方向の量子波動を受信します。
次に受信波に含まれる未来時空状態ベクトルを量子コンピュータに解析させ、トランスレータを介して立体画像処理装置でホログラムとして出力表示させます。
各プロセスにおける時空定数、境界条件、量子常数等の設定の詳細については、皆さんの席上に設置している端末にデータを送信してありますのでご確認ください。」\\
一気にしゃべり終えたシン・サンダは喉が渇いたのか卓上の給水セットから震える手でコップに水を並々と注ぎ、ゴクゴクと音をたてて飲んだ。\\
「事象年代の同定方法を説明してくれんかね?」\\
リー・クライマン博士が穏やかに言った。\\
「4次元時空ダイヤグラム上の地球/観測点間距離と、観測点からの量子波動円錐の回転角を用いて未来時空における地球までの時空距離を求め、年代を同定します。」\\
「量子波動円錐の回転角の計測方法は?」\\
「量子重力場発生装置の出力エネルギー/波動円錐回転角相関に基づく校正曲線によって算定します。」\\
「よくわかったよ、ありがとう。」\\
リー・クライマン博士は二三度軽くうなずきながら言った。\\
「それでは討議をお願いします。」\\
議長のゴリ・ガリバヌは今度こそ邪魔はさせないぞと言わんばかりの勢いで叫んだ。\\
「これが意味するものは明らかだ。何らかの原因で地球は100~300年後に氷の惑星になってしまうんだ。問題は何が原因かと言うことだ。ここ年の異常気象の頻発がさらにエスカレートして氷河期の到来を早めたのかも知れん。」\\
ジョセフ・ハミルトン博士は自説の「氷河期・気象変動相関論」を開陳した。\\
「原因は色々考えられる。小惑星の衝突、太陽異常、核戦争、異常気象等、その他にもあるかも知れん。要因系統図を作って各要因の生成確率を算定しなきゃならん。」\\
鷲を思わせる精悍な顔付きのリー・クライマン博士がきびきびと言った。\\
「ちょっと確認したいんだが、この画像は確定した未来を示しているのかね。もしもそうなら原因がわかっても何にもならんのじゃないかね?
また、確定してないんならこの画像は何を表していることになるのかね?」\\
鶴のような痩身をやや斜めに傾けて、量子意味論学の大御所として知られるインドブロックのチャンドラ・シタール博士が皮肉な笑みを浮かべながら言った。\\
「もちろん確定した未来だよ。原因がわかってもこれを変えることはできんが、どのように対応すべきかは決定できるわけだ。我々がどのように対応するかも確定してるのかも知れんが、マクロレベルの因果律が意識体にかかわるミクロレベルの情報流入を阻止しているから、我々には知ることができんのだ。」\\
むっとした顔でチャンドラ・シタール博士を睨み付けながらリー・クライマン博士がきり返した。\\
「それでは原因究明と対応策を策定するための計画概要の審議に入りたいと考えますが、その前に30分間のコーヒーブレイクを設けます。」\\
頃合いやよしと見た議長ゴリ・ガリバヌが休憩を宣した。会議は長引きそうであった。\\

(3)クラスファイルmytbook.clsの修正部分
 (a)本文各章タイトルのフォントサイズ
\def\@makeschapterhead#1{\hbox{}%\vskip2\Cvs{\parindent\z@\raggedright\reset@font\large\bfseries\leavevmode\setlength\@tempdima{\linewidth}%\vtop{\hsize\@tempdima#1}}\vskip3\Cvs}
(b)タイトルページ見出し
\newcommand{\maketitle}{\begin{titlepage}%\let\footnotesize\small
\let\footnoterule\relax\let\thanks\p@thanks\let\footnote\thanks
\vbox to\textheight\bgroup\tate\hsize\textwidth\null\vfil\vskip 60\p@\begin{flushleft}%{\LARGE \@title \par}%\end{flushleft}\par\vfil{\centering\@thanks}\vfil\null\egroup\end{titlepage}%

(4)コンパイル後の出力
 タイトルページ、目次、及び本文(第1章の2ページ分で代表)の出力結果を示します。
未来の影1rev

未来の影2rev

未来の影3rev

未来の影4rev

未来の影5rev


13.日本語縦書き書籍の表題紙作成 

 本のタイトル「未来の影」を独立の1ページに表題紙として出力させることにしました。TeX解説本によると、ドキュメントクラスbookはデフォルトが独立のタイトルページを出力するようになっており、タイトル、著作者、日付、及び出力コマンドを、main.texファイルの\begin{document}の下に入力すれば良いことになっています。

 今回の本ではタイトルだけでよいので著作者と日付を省略して、次のように入力しました。
 \begin{document}
 \title{未 来 の 影}
 \maketitle

 ところが、タイトルと入力した日付がページの上下方向中央位置に2行にわたって出力され、見た目が悪いのと不要な日付が入っているので困りました。TeX解説本を読むと、日付を省略した場合、ファイル作成日が自動的に出力されることになっています。

 この方法ではダメだと思ってタイトルページだけの別ファイルを作り、本文の各章と同様にmain.texに呼び込む方法を試してみてなんとかなりそうでしたが、せっかくタイトルページ出力がデフォルトになっているのに、それを生かさないのは非効率だと考えました。そこで、先の本文における章見出しの修正で経験した、ドキュメントクラスファイルの書き換えで対応できないか試してみました。

 ドキュメントクラスファイルmytbook.clsをエディタで開き、タイトルページの様式を指定しているはずの\maketitleを検索し、次のような当該箇所を見つけました。

\newcommand{\maketitle}{% \begin{titlepage}% \let\footnotesize\small \let\footnoterule\relax \let\footnote\thanks \null\vfil \vskip 60\p@ \begin{center}% {\LARGE \@title \par}% \vskip 3em% {\large \lineskip .75em \begin{tabular}[t]{c}% \@author \end{tabular}\par}% \vskip 1.5em {\large \@date \par}% \end{center}\par \@thanks\vfil\null \end{titlepage}%

ここで、タイトルが上端から始まるように\begin{center}を\begin{flushleft}に、\end{center}を\end{flushleft}に書き換え、著作者と日付を指定していると思われる箇所(\vskip 3em%から{\large \@date \par}%まで)を削除し、上書き保存しました。良く分からない箇所もあるにしてはかなり乱暴なやり方でしたが、結果的にはうまくいきました。

 ついでに、タイトルを太字にするため、上記のタイトル名称のコマンド\title{未 来 の 影}を\title{\textbf{未 来 の 影}}としました。以上で、タイトルはページ左右方向の中央で、かつ上部余白を除く上端から「未 来 の 影」と太字で表示されました。


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