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 製本の仕上げとしてブックコートフィルム(約0.07mm厚のポリプロピレン、透明)による書籍表面保護をやりたかったのですが、一冊分しかいらないのにネットだとかなりの量を購入しなければならないので躊躇していました。図書館の本にはブックコートフィルムが適用されていたので、市内の文房具店から購入しているのではないかと思って聞いたところ、本の納入元がブックコートフィルムを施工した上で図書館に納入しているとのことで、当てがはずれました。

しかし、市内にある文房具の卸商にあるかもしれないと言われて行ってみたら、在庫はないが注文すれば取り寄せると言われたので、カタログを見せて貰って最小量の商品(1.5mロールタイプで504円)を注文しました。2、3日して入荷したとの電話連絡があり、急いで取りに行きました。その帰りに念のため、市内の文房具店や包装紙店を見て回ったところ、一軒の文房具店にカバーシートという商品名で小量の商品が販売されていました。これで、購入先が2箇所確保できたわけです。

ブックコートフィルムが入手できたので製本済みの本に適用しようとしましたが、すでに年末になっていてそれどころではなく、年が明けてお宮参りも済んだ3日にようやく取りかかった次第です。使用説明は分かりにくいところがありましたが、校正用に作った本で施工練習して要領を得てから本番を実行したので、まずまずの出来映えでした。空気が入らないよう裏紙を少しずつはがしながら、定規でフィルムを本の表紙に押しつけていくのですが、フィルムを引っ張らないようにすることと、表紙の内側に折り返すための切り込みを、特に背の部分ではきちんと表紙端位置までいれることがコツのようです。なお、実作業は殆どの部分を配偶者が行ったことを付言しておきます。

 いよいよ製本の本番を実行することにして、製本過程をデジカメで撮影しました。
(1)準備品
準備品は、図1に示す書籍本体(A5,169ページ)、表紙(B4)、見返し(A4半折り2枚)、しおり、および図2に示す製本機(木製)、グルーガン、スティック(樹脂)、アイロン、クッキングシート、クリップです。
図1図2
図1 準備品A  図2 準備品B

(2)作業過程
図3に示すように書籍本体を2枚の見返しで挟み、4辺をきちんと揃えて書籍の背側をクリップで、腹側を紙バンドで固定します。作業中天地、表裏、背腹が分かるように見返しの隅に印をつけておきます。
次に、図4に示すように背側が約3mm飛び出た状態にして、製本機で固定した後クリップを取り外し、しおりを挿入します。
図3図4
図3 書籍本体と見返しの固定  図4 製本機による固定

図5に示すように、製本機を立てて書籍本体の背の部分を糸鋸で切り込み、深さ1mm程度の溝を背の全長に5mmピッチで作成します。次に図6に示すように、しおり端部と一緒に背の全長にグルーガンで溶融樹脂を塗りつけます。図7に樹脂塗布状況を示します。図8に示すように、樹脂を塗布した背全長にクッキングシートをかぶせます。
図5    図6
図5 書籍本体の背全長への溝加工  図6 背全長へ溶融樹脂を塗布
図7図8
図7 背全長の樹脂塗布状況  図8 クッキングシートの設置

図9に示すように、クッキングシートの上からアイロンをかけ、樹脂を溝に溶け込ますとともに樹脂表面を平滑均一にします。ある程度冷えてからクッキングシートを取り去り、図10に示すように本体背に背表紙中心を合わせて表紙をセットします。
図9    図10
図9 背の塗布樹脂へのアイロンがけ   図10 本体背への表紙設置

表紙の上にクッキングシートをかぶせ、図11に示すように、本体背の部分と背表紙部分が再溶融した樹脂で接着するようにアイロンをかけます。冷却固着後クッキングシートを取り外し、図12に示すように、製本機のネジをゆるめて書籍全体を8cmくらい引き出し、再度ねじを締めて固定した後、表紙を表裏とも本体側に折り曲げます。引き出された書籍本体部分の下にアイロンがけのための台を置きます。
図11図12
図11 背表紙の接着       図12 表紙折り曲げ、セッティング

図13に示すように、クッキングシートをかぶせ、表紙側部と本体が背側からはみ出した樹脂の再溶融により接着するようにアイロンをかけます。図14及び図15に出来上がり状態を示します。
図13図14
図13 表紙側部と本体の接着  図14 出来上がり(表側)
図15
図15 出来上がり(背側)

今回の製本作業で気が付いたことは、写真画像をインクジェットプリンターで印刷した表紙にアイロンがけで熱を加えるとインクが変色する場合があるということです。従って、表紙内容は題名、著者名などの文字情報に限定して、表紙は190K程度の紙に本体と同様にレーザープリンターで印刷し、写真画像をインクジェットプリンターで印刷したものは、表紙カバーとして作成した方が良いとうことです。それなら表紙の変色もなく、表紙をくるんだ表紙カバーの上からブックコートフィルムを貼れば、書籍の仕上がりがきれいで保管も容易になります。次の機会にはこの方法で製本しようと思っています。

 市販書籍では表紙の保護のためにPP加工が施されているものが多いようです。これを自作書籍にも適用できないかとネットで色々調べてみましたが、PP加工には特殊な装置が必要で、個人で実行するのは無理のようです。1枚の紙を両面で挟み込むホットラミネート加工というのがありますが、くるみ製本した書籍の表紙保護には使えそうもありません。

 書籍製作を100%自力でやる方針でしたが、表紙加工だけは外部に発注せざるを得ないかと半分あきらめていました。しかし、ネットで調べると表紙加工の費用が結構高く、書籍製作費用に占める割合が大きくなって、必要最小限の費用で書籍出版という当初の目標が達成できないことになります。それでは悔しいので何とか方法はないかと未練がましく模索していたある日、図書館の本は何らかの保護が施されているのではないかとひらめきました。

 たまたま図書館から借りている本があったので手にとってよく見ると、図書番号のバーコードや分類記号のラベルの上から、本の表紙をくるむように薄い透明シートでカバーされ、表紙の裏に貼り付けて固定していることが分かりました。つまり、この透明シートは市販されており、図書購入後、図書館で貼り付け施工されたものであることを物語っています。

 そこで、検索語を色々変えてネット検索してみると、ブックコートフィルムコートフィルムあるいは透明コートフィルムという名称でネット販売されていることが分かりました。各種サイズのロールタイプ、平板タイプ、テープタイプがあるようで、価格もA5サイズの書籍1冊分換算で60円くらいなので利用できそうです。

 グルーガンによる書籍製本の本番実行の前に、校正用に印刷していた書籍本体と予備の表紙を使って予行演習をしました。先にネットで見つけてピッタリだと思っていたグルーガンによる書籍製本の解説記事は、よく見るとハードカバーの書籍を対象としており、私のソフトカバーの書籍の場合、表紙の取り付けは解説どおりにしても旨くいかないことが分かりました。また、解説にはないノウハウをいくつか得ました。

(1)書籍本体の製本機への取り付け
 書籍本体に表紙を取り付けるための見返し(A4サイズ白紙を半折りしたもの)を、本体の表と裏面に追加しました。家にある製本機は、前述のようにA3サイズの平板2枚を牒ネジで締め付けるタイプなので、書籍本体は別途4辺の端面を揃えた状態で、ずれないようにクリップなどで複数箇所を固定し、その状態で製本機に取り付ける必要があります。

このとき、製本機から5mmほど上に出した背の部分以外の箇所を固定しているクリップは、製本機によるねじ締め固定の障害になるので取り外す必要があり、書籍本体の各辺がずれることがありました。そこで、書籍本体を紙テープで束ねて固定してから障害になるクリップを取り外し、その状態で製本機にセットして固定しました。

(2)書籍本体の背固め
 書籍本体の背側を5mmほど上に出した状態で製本機を立て、糸鋸で本体の背全長に深さ約1mmの切り込みを約5mm間隔で入れた後、背の部分全体にグルーガンの引き金を引きながら溶融樹脂を塗り付けるのですが、その量が少ないと接着しない部分が出てくるし、多すぎると側面の不要なところまで樹脂が垂れてきて、見栄えが悪くなります。適正量は場合によって異なるので一概には決められず、経験的に会得するしかなさそうです。

 ある程度固まったところでクッキングシートをかぶせ、アイロンを背全長にかけて樹脂をしみ込ませるとともに、接着層を一様平滑にします。ある程度固まってからクッキングシートをはがすと、きれいな接着層が現れます。樹脂はシートには全く接着しません。

(3)表紙の取り付け
 表紙の背幅を形成する2本の稜線に竹べらで筋目をつけて曲げやすくし、背の部分をこの字型に成形してから背固め後の本体にかぶせ、表紙の上からアイロンをかけて再溶融した樹脂で、表紙を本体に取り付けたのですが、大失敗しました。
 ・表紙はインクジェットプリンター用の光沢紙に写真画像と文字を印刷したものだったので、竹べらで筋目をつけると、この字型に成形したときに角が白い筋になるのです。あまりきっちりと角を付けずに自然に本体に沿うように曲げた方が良いようです。
 ・表紙に直接アイロンをかけると画像が変色したので、当て紙を1枚敷いてその上からアイロンがけしましたが、今度は敷いた当て紙に文字が転写されて、表紙の文字が一部消えてしまいました。そこで、アイロンの温度を少し下げて、紙の代わりにクッキングシートを当ててその上からアイロンがけすると、上記の変色や転写もありませんでした。これらのことは、上記の解説記事にも書かれていません。

 次に、背に表紙を取り付けた状態で本体を製本機から取り出し、電話帳などの上に水平に置き、背の部分の両側面にアイロンがけして、背から少しはみ出している樹脂を再溶融することで、表紙と見返しを接着します。最後に、背と反対の見開き側の端面で、表紙(両面)と見返しを木工ボンドなどで接着します。

 失敗もありましたが、できあがった書籍を見るとまあまあのできで、一応書籍らしい感じはしています。表紙をつけて製本するだけでそれ以前とこんなに感じが違うのかと、我ながら感心している次第です。今回の予行演習では、製本経験者である配偶者が主体で作業しましたが、次の本番ではこの経験を生かして、自分一人だけで立派な書籍に製本したいと考えています。

 グルーガンによる書籍製本は短時間で樹脂が固まるので、一様平滑な接着層をきれいに作れるか不安でしたが、ネットで調べるとなんとズバリ、グルーガンによる書籍製本のやり方をムービー付で解説しているサイトが見つかったのです。ネットはすごいですね、大抵のことはネットで解決しますから。

 解説によると、固まった樹脂は再加熱すると溶融するので何度でもやり直せるということです。ノウハウは、グルーガンで形成した樹脂の接着層を、家庭用のアイロンとクッキングシートを使って一様平滑な層に整形するという点です。つまり、背の部分を飛び出させた状態で書籍本体を製本機に挟んで固定し、グルーガンで樹脂層を背の部分に形成した後、クッキングシートをかぶせた上からアイロンをかけて、接着層を整形するというものです。クッキングシートには樹脂は接着しないそうです。書籍本体の固着後、クッキングシートを抜き取り、本体に表紙をかぶせてその上からアイロンをかけて表紙を接着させるそうです。

 また、ホットメルトシートというものが市販されていて、適当な寸法に切って自作の表紙の背の内側に貼り付け、書籍本体部分を表紙でくるんでホットメルト製本機に入れ、加熱処理して一体化製本する方法もあるそうです。以前、卓上製本機を調べたときには、ホットメルト式のものは専用の表紙しか使えないと思っていましたが、この方法なら自作の表紙も使えるのです。さらに考えれば、表紙だけでなく本体部分の接着にも使えそうで、そうであれば、グルーガンがなくてもホットメルトシートとアイロンで製本できるということになります。


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